不動産一括査定サイト反響顧客の「売る気は無いが、価格を知りたかった」って本当?

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。


しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。


今回は反響客の「売る気がない」問題に明快な答えを提示します。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。

私は、仕入れコンサルをお任せ頂いているクライアント先では毎月、一括査定サイト反響の内容と、追客状況を確認しています。その時、クライアント先の営業担当者様からたまに、次のような台詞を聞きます。

「このお客様は追客していません。売る気は無いが、価格を知りたかったとおっしゃっていたからです」

ふ~ん、お客様が売る気は無いとおっしゃてる以上、追客しても意味ないよね…って話になる訳は無く、そこから、その営業担当者様を質問攻めにします。

梶本:そのお客様は何故、売る気もないのに価格を知ろうと思われたのですか?

営業:ご自身の資産の金額を把握したかったのだと思います。

梶本:お客様自身が「資産の金額を把握したい」とおっしゃったのですか?

営業:いえ、私がそう感じただけです。

梶本:あなたの主観と事実を混ぜて話すことは止めて下さい。

営業:すみません。気を付けます。

梶本:では、お客様に「何故、売る気もないのに価格を知ろうと思われたのですか?」と聞きましたか?

営業:いいえ。聞いていません。

梶本:何故、聞かないのですか?

営業:疑問に感じなかったからです。

梶本:ではお聞きしますが、あなたはお客様の言葉は全て鵜呑みにするのですか?

営業:いいえ…全て…鵜呑みというわけでは…。

梶本:でも、「売る気は無いが、価格を知りたかった」という言葉は鵜呑みにされたのですよね。

営業:はい…。

次のページ:「売る気は無いが、価格を知りたかった」を鵜呑みにしてはいけない理由とは…?

 
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