空き家問題の解説と対処法

2015年5月以降、「空き家対策特別措置法」施行によって空き家所有者の環境は大きく変わることになりました。M&M株式会社 白石部長監修で空き家の管理の必要性、空き家のリスク等をご紹介致します。

「特定空家」に係るガイドラインのポイント

空き家01平成27年5月26日、「空き家対策特別措置法」が全面施行されました。市町村の権限が位置付けられ、空き家対策が本格的にスタートしました。
この「空き家対策特別措置法」の施行にともない、国土交通省は、「特定空家」の判断基準や措置に係る手続についてガイドラインを定めました。ガイドラインとは「市町村が、参考となる考え方を示すもの」とされています。実際の「特定空家」の指定や是正措置は各地域の状況に応じて、その市町村が判断基準や措置等を定めています。

ガイドラインのポイントです。

  • 空き家への立入調査
    「特定空家」として判断するため、市町村に空き家の立ち入り調査の権限が与えられました。
  • 「特定空家」所有者に対する指導、勧告、命令
    「特定空家」と判断されると、市町村は所有者に対し改善に向けての措置を助言又は指導、勧告、命令することができます。
  • 固定資産税等の住宅用地特例から除外
    市町村より助言又は指導を受け改善がされない場合、勧告が出されます。勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例から除外されます。
    特例は、家屋がある土地の場合は更地の場合よりも固定資産税等を優遇するものです。空き家が除外されると固定資産税等が最大6倍まで増加する可能性があります。
  • 「特定空家等」に係る代執行
    市町村より勧告を受け改善がされない場合、標識が設置され命令が出されます。命令に従わない場合、市町村による強制撤去等の代執行が可能となります。代執行に係る費用は所有者より徴収されます。
白石部長の一言
2014年7月の総務省発表によると、全国の空き家率は13.5%(約820万戸)と過去最高を更新し、2040年には36%〜40%が空き家になるとの試算もあり、以前より空き家問題は深刻なものとして社会問題となりつつありました。そこで、この空き家問題に歯止めをかけるべく「空き家対策特別措置法」が施行されました。
空き家問題には少子化による人口減少や新築住宅の供給過多など様々な要因がありますが、この法案では、まず物理的に現在の空き家にメスを入れる目的だろうと私は解釈しています。そのために、空き家の所有者が今後考えるべきポイントや取り組むべきポイントなどの参考にしていただけると幸いです。

「特定空家」とは

空き家02それでは、市町村が判断する「特定空家」とはどういったものかご説明します。
 
・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

建築物の著しい傾斜、構造耐力上主要な部分の損傷等、屋根・外壁等が脱落・飛散等するおそれ、擁壁の老朽化、などが例示されています。
 
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

建築物又は設備等の破損が原因による、石綿等が飛散する可能性、浄化槽等の放置・破損による臭気の発生、ごみ等の放置・不法投棄による臭気の発生や多数のねずみ・はえ・蚊等の発生、などが例示されています。
 
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観をそこなっている状態

景観法に基づき策定した景観ルールに著しく適合していない状態、屋根・外壁等が落書き等で外見上大きく痛んだり汚れたまま放置されている、多数の窓ガラスが割れ放置されている、立木等が建築物を覆う程度まで繁茂している状態、などが例示されています。
 
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し通行を妨げている、住みついた動物等による臭気の発生、シロアリの大量発生、不特定多数の者が容易に侵入できる状態が放置されている、などが例示されています。

ガイドラインでは市町村が「特定空家」と判断し是正措置を講じるには、その空き家が上記4点のいずれかに該当し、併せて

  • 周辺の建築物や通行人等に対する悪影響の程度と危険等の切迫性
    台風や大雨などの影響による倒壊の危険性、放火や不法侵入による周辺への悪影響や危険性、などが例示されています。

以上のように「特定空家」は、「空き家の状態」と「周辺への影響の程度」の両面を判断する必要があるとしています。

白石部長の一言
要するに、台風などの災害時に倒壊や飛散による周囲に及ぼす危険性、ごみの不法投棄や設備の劣化による臭気、放火や不法侵入などの犯罪の温床になる懸念などがある空き家を市町村が改善させる権限を持ったというところでしょうか。
その分、所有者は今までは気にしていなかった税金や維持管理・解体・売却などを検討しなければなりません。では、まずは何から考えるべきでしょうか。

空き家所有時に考えるべきポイント

空き家所有には様々な経緯がありますが、多くは「だれも住まなくなった実家」や「相続による不動産所有」があります。その際に大切となるポイントは、将来住む可能性があるかどうかです。

将来住む可能性がある場合は「維持・管理する」「期限付き賃貸に出す」「予定を早めて引っ越す」など、将来住む可能性がない場合は、「財産として維持・管理する」「売却する」「賃貸に出す」などがあります。

ただし、現実問題として住むかどうか急には決められない、住む予定はないが思い入れがある実家を簡単に売却できない、古くて住むためにはリフォームが必要となりコストがかかる、などの場合もあるかもしれません。ですが、どうするか決められないからといって放置することは避けなければいけません。

なぜならば、以前は、空き家となった場合でも取り壊さない方が固定資産税は安くなる仕組みでしたし、勧告や強制撤去などはありませんでしたが、今後は前述した「特定空家」と判断されると固定資産税の増加や改善勧告・強制撤去などの対象となってしまうからです。

白石部長の一言
そこで、近年では不動産会社を中心に空き家に関するサービスが多数準備されています。空き家を月額費用にて巡回管理するサービスや土地を生かし建て替えやリフォームを提案するサービスなど、売却だけでなく維持管理や解体・建て替え・リフォームなど総合的にアドバイスを受けることが可能となりました。

空き家を活用する方向性の決定は慎重に

M&M株式会社 白石部長02

不動産会社を上手に活用する方法のひとつとして査定依頼があります。

今まで、査定といえば売却のために依頼し、売却査定金額を中心に比較検討する方が多くを占めていましたが、空き家を所有している場合は、今後の方向性が決まっていなくても早い段階で査定の依頼を通して不動産会社へご相談することをオススメします。
売却する場合・賃貸する場合・維持管理する場合など総合的に査定を依頼することも可能です。ですが、全ての不動産会社から空き家に対して総合的なアドバイスを得られるわけではありません。査定の依頼をすると、売却を促し手続きを押し付けてくる場合もありますので注意が必要です。
地域密着の不動産会社へ訪問したり、一括査定サイトなどを利用したり、売却のメリットやデメリット・賃貸の場合のメリットやそれにかかるコストなど・維持管理のコストなど、親身になって相談を受けてくれる会社を見つけましょう。

もちろん相談をしたからといって、費用負担がゼロになるとは限りません。売却では売却後に譲渡所得税が発生しますし、賃貸では家賃収入は得られますが賃貸に出すためにリフォームを行う必要があるかもしれません。維持管理でも空き家が遠方であったり時間が無かったりで費用をかけて巡回サービスを依頼しないといけないかもしれません。

ですが、放置して「特定空家」と判断され勧告や強制撤去され費用を徴収される事を考えると、自らの意思で財産の今後を決める方が納得できるのではないでしょうか。

白石部長の一言
ここまで空き家問題に触れてきましたが、まだ実感が湧きにくいかもしれません。ですが、今後全国で注目され、さらに深刻な問題になると思われます。何事も早めの行動にはたくさんのメリットがありますので、まずは相談だけでもしてみでください。

例えば、売却の場合は、単に処分するだけなのか、コストをかけて収益につなげるのかなどや、賃貸の場合、住居として貸し出すのか、福祉や保育の場として地域に提供するのか、事務所や店舗などに活用するかなど、様々な方向性や可能性があります。

不動産会社などに頼らず、自分で調べ行動することも結構ですが、ひとつの角度から考えるのではなく、多様な角度で考えるために信頼できるパートナーを見つけることが大切となるのではないでしょうか。

 

空き家の売却を検討した利用者の声

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企業名 M&M株式会社
住所 福岡市中央区大名2丁目10-38 ディー・ウィングタワー2階
事業内容 ・不動産賃貸・売買・管理・リフォーム
氏名 白石 匠
所属/役職 不動産事業部 部長
資格 宅地建物取引士、一級古民家鑑定士
不動産業界歴 10年
得意な不動産業務 不動産売買
座右の銘 言うは易し行うは難し
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