不動産売却の譲渡所得 かかる所得税と納める時期は?

個人が不動産や株式を譲渡した時の所得を「譲渡所得」といいます。譲渡所得は通常の給与とは区別して計算する必要があり、普段から給与以外の所得を得ていない人にとっては、考え方や計算方法、所得税などわからないことが多いかもしれません。ここでは不動産を売却した時の譲渡所得と譲渡所得にかかる所得税についてご紹介します。

不動産を売却した時の譲渡所得とは

まずは不動産を売却した時の所得計算を見ていきます。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得とは、土地や建物(山林の譲渡は除く)、株式などの資産を売却(譲渡)することによって手にする所得のことを言います。

不動産を売却した時の譲渡所得は「収入金額(売却代金)」から不動産の「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて、以下のように計算します。特別控除などの特例が適用できる場合にはこれも差し引いて計算します。

◯譲渡所得の計算式
収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

取得費とは売却する不動産を取得した時の金額と取得にかかった経費を合算したもの、譲渡費用は不動産売却の際に生じた経費です。

不動産の取得費を計算する時の注意点

取得費の計算に関しては、建物の経年劣化を考慮して計算しなければなりません。建物の劣化分に相当する減価償却の考え方を適用することになるので、詳しく見ていきましょう。ただし、土地には経年劣化がないため建物についてのみを考えます。

◯減価償却の計算式
減価償却=建物を購入した価格×償却率
償却率の算出にはいくつかステップがあるので、順に見ていきます。

建物を購入した価格の確認

まずは売却する建物をいくらで購入したのかを確認する必要があります。売買契約書やパンフレット、口座の履歴などを参考資料として使うので、用意しましょう。相続した不動産の売却などの場合には金額を調べられないことがあるかもしれません。この時は概算(みなし)取得費として、取得費を売却代金の5%で計算することができます。

物件の構造と築年数から償却率を確認

建物は木造や鉄筋コンクリート造など、構造によって年数による劣化の仕方が異なると考えられます。そのため構造ごとに、どれくらい建物が持つのか(法定耐用年数)が定められています。

◯法定耐用年数の一覧
構造 法定耐用年数
木造 22年
鉄筋コンクリート造 47年

※法定耐用年数について気になる方は、不動産の耐用年数について書いた記事をご参照ください。

続いて法定耐用年数から、建物に現存する耐用年数を計算します。

◯建物の耐用年数
(法定耐用年数 - 築年数)+ 築年数 × 0.2 = 耐用年数
(法定耐用年数を過ぎている時は、法定耐用年数×0.2)

建物の耐用年数がわかれば、それを元に償却率をもとめられます。償却率は、国税庁ホームページの償却率表から確認できます。償却率表を見るとわかりますが、取得日について平成19年4月1日を分岐点として適用する償却率が違うので気をつけましょう。

減価償却相当額を差し引く

最後に減価償却に相当する金額を購入金額から差し引いて、取得費を計算します。築年数が経過している建物の場合、減価償却に相当する金額が大きくなるので、取得費は小さくなり、結果として譲渡所得が大きくなってしまいます。

譲渡損失について

収入金額よりも取得費と譲渡費用の合計金額が大きい場合は、譲渡損失と呼びます。譲渡損失については課税対象ではないので、当然所得税の負担はありません。

譲渡所得における所得税の考え方と節税

譲渡所得が生じると、それに対して所得税が発生します。所得税の計算に関しては、いくつか注意点があります。また税金を抑えるために役立つ特別控除などもあるので、合わせてご紹介します。

譲渡所得における所得税の計算

個人の所得税計算では分離課税という方式が取られます。分離課税では、給与所得や譲渡所得などの各所得を合算ではなくそれぞれを分けて収支計算を行い、それぞれにかかる所得税の計算を行います。

このため、譲渡所得があれば全体の所得が増えることになるので、所得税だけでなく翌年の住民税も上がることに気をつけなくてはいけません。住民税については、不動産売却で翌年の住民税は上がる?にて詳しくご紹介しています。

所有年数で異なる税率

譲渡所得にかかる所得税では、不動産の所有年数によって税率が違います。投機的な売買の抑制のために、長期間保有している場合の方が税率は低くなっています。

  譲渡所得に対する税率(所得税+住民税)
5年以下の短期譲渡所得 39.63%
5年超の長期譲渡所得 20.315%
 

譲渡所得にかかる税率は、保有期間が5年を超えると1/2にまで下がります。ただし5年の数え方について、購入日から5年間ではなく、5年経過した年の12月31日を超えている必要があるので、気をつけましょう。

特別控除の適用で譲渡所得税を抑える

譲渡所得に対する所得税の計算では、適用できる特例がいくつかあります。控除を適用することで譲渡所得による税負担を大幅に減らすこともできます。

◯主な特例(特別控除)
  • 3,000万円の特別控除
  • 買い替え特例
  • 長期所有の軽減税率

特別控除については不動産売却での3,000万円の特別控除の特例と、その他の控除や税金対策にて詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

譲渡損失を申告して所得税を抑える

譲渡損失がある場合にも、確定申告をすることで節税できる場合があります。

譲渡所得がマイナスの時の損益通算

申告した譲渡損失を他で生じた所得と相殺して、納める所得税を減らすことができます。ただし、別荘のような保養や娯楽目的の不動産を売却する場合など、いくつか適用できない場合があるので、都度の確認をした方がいいでしょう。

繰越控除

損益通算で相殺しきれなかった損失分は、翌年から3年間にわたり所得と相殺し続けることができるかもしれません。適用のためには、居住用の不動産を買い替えや住宅ローン残高

譲渡所得税は確定申告の時に納める

譲渡所得税を納めるのは確定申告の時です。譲渡所得や所得税額を申告する際にはいくつか注意点があるので、見ていきます。

確定申告の時期と注意点

譲渡所得税の支払いは基本的には所得税・住民税それぞれに上乗せする形で支払うことになるので、特別な支払い手続きなどは必要ありません。確定申告の時期は2月半ばから3月半ばまでの約1ヶ月の間になります。遅れてしまった場合には遅延損害金が発生してしまうこともあるので注意しましょう。

不動産売却の確定申告については【2020年版】不動産売却時の確定申告方法と確定申告の必要書類の書き方にて詳しくご紹介しています。

税理士など専門家に頼む方法もある

不動産売却における譲渡所得税の計算では、特例や節税についてご自身で考えるとかなり複雑です。不安がある場合は、税務署の窓口で相談したり税理士に頼むと良いでしょう。

譲渡所得について気になることがある方は、見積もりと合わせて不動産会社に相談してみてもいいかもしれません。

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