第8回では、自社ビルを取得【17ステップ】のステップ15のうち、新築工事について、詳しくポイントを見ていきましょう。

ステップ15.新築工事・リニューアル

[購入した土地に古い建物がある場合]

自社ビル用に購入した土地に古い建物が残っており、それを使用しない場合は、まず建物を解体して取り壊し、更地に戻します。

その際、アスベストには十分に注意しましょう。適切な処理をせずにアスベストを使用した建物を解体してしまうと、周辺住民やオフィスワーカー、作業員へ直接的な健康被害が発生する恐れがあります。契約時に説明される重要事項にも、アスベストに関する報告書の有無について記載がありますが、報告書事態がない場合も多いため、よくわかりません。

解体会社もそのあたりはわかっていますが、信頼関係がない会社の場合、コスト削減のため、きちんと調べずに解体を作業員に指示してしまう場合もあるかもしれません。発注者としての責任も追及されますので、信頼できるビジネスパートナーを選定することをお勧めします。

[購入した土地に新しい建物を建築するケース]

新しく建物を建築する主な手順は、次の7つです。

(1)設計会社(設計者)を選定する

(2)建設会社を選定する

(3)建物のおおまかな仕様を決定する

(4)設計図面を作成する

(5)建築申請をする

(6)建物を建築する

(7)建物の引き渡しを受ける

建設会社に設計監理も含めて発注する場合と、設計会社(設計者)と建設会社を分ける場合があります。前者のメリットは、まとめて発注するので、設計者と施工担当者が意思疎通しやすく、煩雑な仕様変更にも柔軟に対応できることでしょう。後者のメリットは、設計を確定したあと複数の建設会社でコンペを行うので、費用を抑えられる可能性があることです。

(その9)へ続く

参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)

株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治

 
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