亡くなったご両親から持ち家を相続したものの、既にローンでマイホームを買っていて空き家にしていませんか。そうした場合、固定資産税など税金や費用がかかるので古い家はすぐにでも売りたいと考えますが、家を売却するのは買うよりも何かと面倒です。


1.売却にかかる費用

「持ち家を相続したものの、住む予定がなく空き家になっていてすぐに売りたい」と考えているとしましょう。空き家など不動産を売却する場合に、どのような費用が発生するのかを確認します。基本的に次の費用が発生します。

・仲介手数料

・譲渡益に対する税金

・印紙税

1-1.仲介手数料

まずは買い手探しから始めることになると思いますが、知り合いの方で見つかれば仲介を第三者にお願いする費用は発生しません。それ以外のほとんどの場合は、買い手が決まっていないケースだと思います。その場合は不動産屋さんに仲介を依頼することになり、仲介手数料がかかります。

仲介手数料は取引価格が400万円を超える場合、次の式で計算した金額を上限とした費用になります。

・仲介手数料=取引価格×3%+6万円+消費税

仮に取引価格が500万円とすると仲介手数料だけで20万円を超える出費になります。

1-2.譲渡益に対する税金、印紙税

次に考えておきたいのが税金です。売却によって譲渡益が生じる場合には支払いが必要です。印紙税は売買契約書に記載されている金額を基準に課税されます。印紙税額は次の金額となります。

・100万円超え500万円以下:2,000円

・500万円超え1,000万円以下:1万円

・1,000万円超え5,000万円以下:2万円

・5,000万円超え1億円以下:6万円

・1億円超え5億円以下:10万円

契約書に貼り付ける印紙という切手のようなものを郵便局等で買う形で支払います。

2.費用の相場はどのくらい?

2-1.現状で売れる場合

仲介手数料は次の式で計算した金額を上限とした価格になります。

・仲介手数料=取引価格×3%+6万円+消費税

なお、これは取引価格が400万円を超える場合の算式です。400万円以下の場合は次の算式で計算します。

・取引価格が200万円まで:取引価格×5%+消費税

・取引価格が200万円を超えて400万円まで:取引価格×4%+2万円+消費税

仲介手数料は不動産屋さんにとっての売上げですが計算で決まるのは上限です。従って値引き交渉がうまくいけば安くすることができるかもしれません。

その他、現状のままで売れる場合は前述のように譲渡益に対する税金、契約に関する印紙税があり、これらは値切ることはできません。

2-2.現状で売れない場合

現状で売れない場合は、次の費用が生じることを考慮しておく必要があります。

・リフォーム費用

・解体費用

リフォーム費用は古くなった部分に手を加えて売りやすくするための費用です。物件の痛み具合で違ってきます。解体費用は家が相当古く、更地にしないと売れない場合に検討する費用です。

解体費用は家の規模や構造、接する道路の幅などで違ってきますが概ね坪3万円以上はかかると思います。

3.費用を安くするコツはあるの?
不動産を売却する際に生じる費用は、仲介手数料と税金であることはすでにご紹介しました。「税金は値切れないので、仲介手数料を安くできないか」と考えますが、基本的に仲介手数料を交渉で値下げしてもらうのは難しいです。
従って基本的に、物件をできるだけ高く売るようにしたほうがいいかもしれません。では、出来るだけ高く売るにはどうすればいいのでしょうか。方法はいくつかあります。
不動産を売却する場合、次の二つの方法があります。
・買い取り
・仲介
「買い取り」は文字通り、不動産会社に下取りしてもらうイメージで考えればいいでしょう。中古車の買い取りと同じでおそらく買い叩かれて安い値段になる可能性が高いです。したがって「買い取り」は「とにかく早く売りたい」とお考えの方以外にはオススメできません。
これに対して「仲介」の場合、買い手が高く買ってくれる可能性が残ります。よって「買い取り」と「仲介」を比較して考えると、売却を急いでいないのであれば「仲介」を選んだ方がいいのではないでしょうか。ただし「仲介」ですと前述の「仲介手数料」を払う必要があります。これに対して「買い取り」で「仲介手数料」は基本的に不要です。
相手が高く買ってくれる可能性を残すために、最初に提示する売却価格をいくらにするかが重要です。確実に売れる価格を査定額とすれば、その査定額に10%から20%上積みした価格を提示するのが一般的です。
4.まとめ
不動産の売却に関して、手数料を安く抑えて家を高く売る方法についてご紹介しました。実際のところ、「手数料を安く抑える」というのはなかなか難しいので、「家を高く売る」に力点をおくほうがいいと思います。そのためには査定の前に掃除や修繕など不動産のメンテナンスを済ませておく、売却の基礎知識を知っておく、仲介業者と良い関係を築いておくといったことが重要なのではないでしょうか。
 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ