急速に発達してきた文化、「民泊」とは?

そもそも民泊という言葉の定義は難しいのですが、基本的にはホテルや旅館のような宿泊施設ではなく、個人が持つ空き家や空き部屋を提供して「民家に泊まる」ということがその前提です。近年は旅行者を有償で泊めるビジネスとして幅広く展開しています。その火付け役になったのが2007年に始まった「Airbnb」(正式に立ち上がったのは2008年8月)というサイトで、民泊施設に関する情報を取り扱う最大手であり、あのリオ五輪の公式スポンサーになったほどでした。観光地などにおいて、宿泊施設を確保することが難しい場合に、「安価でもいい」という前提のもと、重宝されているのが民泊なのです。


そもそもなぜこんなに民泊に注目が集まるのか?

Airbnbがリオ五輪のスポンサーになったことから、当然ながら民泊スタイルが東京五輪においても存在感を発揮することが予想されるためです。民泊が宿泊施設不足を解消する一つの手立てとして注目されているのです。民泊のコンセプトはシンプルなのですが、そもそも日本では有償で部屋を営業目的で利用する場合は原則的に旅館業法に基づく行政の許可が必要です。しかし、インターネットを介するサービスのおかげで多くの民泊が「無許可」で行われていたため、急速に法の整備が進められているのが現状です。例えばマンションの一室を所有し、それをそのまま貸し出すスタイルが横行するほど世間一般に急速に浸透してはいるものの、民泊にはまだまだグレーな部分が多いのです。

民泊を実施するマンションの売却価格への影響

残念ながら、マンション内で民泊が行われている場合、そのマンションの価値は下がることが現在懸念されています。民泊利用者に最も多いのが外国人ですが、日本的なマナーに馴染みのない方々が日夜マンション内を出入りすると考えると、公共のマナーやセキュリティについて不安が発生します。そういった理由から民泊を禁止するマンションも増えていますが、区分所有者が混在するマンションではそれも難しいようです。そういったマンションの資産価値が下がってしまうのは避けられません。

マンションにおける今後の民泊に関する展望

今後、法の改正によって建物(マンションなど)の用途を明確化して民泊を禁じたり、営業日数を厳しく規定したりなどして、ホテルなどと民泊のさらなる差別化が進められます。しかし民泊に対する需要は増え、また民泊可能な施設でもより明確なルールの設定がなされていくことが予想されるため、ビジネスとして成立させるための動きが活発化していくでしょう。民泊が活発化すれば民泊に積極的なマンションの空室率は低下し、大きな利益が発生する以上、難しいですが運用方法次第では資産価値が上がる可能性も十分に考えられます。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ