金融市場の影響を受けにくい物件と受けやすい物件を意識することが、売却の際の大きなポイントと言えると私は思います。
これは簡単に言うと、どういう人をターゲットにして売却をするか、ということと同義です。
金融市場の影響を受けにくい物件の特徴は、まず一番大きい点は価格でしょう。現金で購入できる人がたくさん存在する価格であれば、買い手がローンが通らなかったとしても、現金で誰かに買ってもらえれば良いのです。次に築年数でしょうか。結論から言うと新しい物件ほどローンは通りやすいです。建物の建築素材によって法定耐用年数が決まっていたり、多くの銀行が、築年数が古ければ古いほど、借りられる年数が短くなる設計をします。つまり、古い物件ほど借入年数が短くなるので、買い手のキャッシュフローが悪化するわけです。
日経新聞などで時事ニュースを確認されている方などはご存知の方も多いと思いますが、昨年の10月頃から、金融庁や日銀が、不動産投資に対する融資が過熱していないかを厳しくチェックする、という報道がされています。不動産投資に対する融資が、バブル期を上回っているという統計も出ています。
銀行からすれば、不動産投資に対する融資はリスクが相対的に少ないので、積極的に融資をしてきました。しかし、上記の流れを受けて、いくつかの銀行において、融資に締め付け傾向が見られるようになっていると私は感じています。
本来、不動産投資は属性や年収の高い人がするものでしたが、上記で言及しましたように銀行の貸し先が多くないことから、消去法的に不動産投資に流れていました。結果として、属性や年収が高くない人で、返済が滞っている人が多く出てきていることも事実で、これが今回の締め付けを引き起こしているとは思います。
このように、金融市場には何年周期かで必ず波があります。
物件を売却する側としては、こういった金融市場の影響を受けにくい物件と受けやすい物件を意識しながら、出口を確保していくことが重要ですね。
 
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