マンションのトラブルの多くが騒音問題であることが少なくありません。
購入物件が近隣との問題を抱えていることが多くあります。
その中でも多いのは上下階とお隣との日常生活における音によるクレームです。
音の問題は購入検討段階ではほとんど見えません。多くは住んでからです。
また中古物件でも売り主から話されることは実はほとんどありません。
ではどういったことに注意すればよいのかここでは述べてみます。
音の問題は環境と建築の構造によるところがほとんどです。
環境としては電車や幹線道路や工場、工事などからの立地環境から来る騒音です。
建築としては空調や設備機器から躯体を通じてや直接音、そして生活における音です。
建築の構造としては 1.床 2.壁 3.天井 4.窓 からの音の進入です。
まず1.床から
床の仕上材として最近はフローリングであることが多いです。
図のように二重床で躯体との間にゴムクッションなどで対応していればかなりよく
遮音フローリングでLL-45以上(LL-40であればOK)が必要です。
(LL:レベルライト軽量衝撃音対応)
仕上げは絨毯や厚めのカーペットはフローリングより床に響かなくて音環境としてはよいです。
次には鉄筋コンクリートのスラブ厚さですが厚さ最低200mm以上
図のようにあるマンションの例ですがスラブ厚さが280~330という設計もあります。
2.壁 コンクリートか否か→厚さ180mm以上
仕上げボードの仕上げ方→GL工法はNO:団子張りといって太鼓現象を誘発する
遮音に対しての対策が充分取られているか否かを確認
3.窓 サッシュ性能
T-1単層ガラス、T-2少し配慮された単層ガラス、T-3防音合わせガラス、T-4二重サッシュ
とありT-2以上が必要でしょう。
サッシュは構造上マンションは共有部分となっており居住者がかってに取り替えたりできません。
したがって性能が悪い場合はインナーサッシュをとりつけて対応することとなります。
4.天井最近は直接の直天井仕上げは少なくなってきていますが,できれば下地を組んで仕上げは
吸音材仕上げが望ましいです。
間取りを検討するとき
上下階や隣室のレイアウト間取りにも気を付けて、水場周りや設備など音の発生要素からは避けること
が望ましいでしょう。
また1階は下階への音の配慮を気にしないで済みますし最上階は上の階の騒音を受けなくて済みます。
エレベーターの近くは構造が悪ければエレベーターの騒音や人の出入りが多く気になることもあります。
以上簡単に述べましたが、そもそも集合住宅は人が集まって住むため音の問題が皆無ということはありません。
建築の計画で絶対大丈夫ということはなく、生活するうえでお互いに配慮し合って、また話し合って解決して
気持ちよく暮らしてゆく姿勢が大切ではないでしょうか。