【シリーズ一覧】

第5回:FP3級技能検定試験:過去問解説・学習法

第6回:FP2級の試験日・申し込み方法や合格率など

第7回:FP2級技能検定試験:過去問紹介と学習方法

第8回:FP2級技能検定試験:実技試験と学習方法

皆様こんにちは。ファイナンシャルプランナーの近藤喜隆です。前回からはじまった「FP試験対策シリーズ」ですが、第1回目は、「FPとはなにか」について、その定義やFP6分野の全体像について説明してきました。第2回は、FP試験概要について少し詳しく見ていきます。まずはFP試験3級、2級、1級についての全体的なご説明をしていきましょう。

ファイナンシャルプランナーの資格には、国家資格のFP技能士と民間資格のAFP、CFPがあります。国家資格はFP1級・2級・3級とに分かれていて、試験には学科試験、実技試験の2種類があり、両方合格することが要件となっています。一方の民間資格は、AFPについてはFP技能検定2級試験を合格したあと日本FP協会に会員登録をすることによって取得します。上級資格のCFPは、AFP登録者限定で受験でき、全科目合格した後、登録をして取得できます。CFPは国家資格のFP技能士1級にも相当します。ここまでは前回、ご紹介しましたが、今回はここをもう少し詳しく掘り下げていきます。

第2回は、国家試験でもあるFP技能士検定を次の3つの切り口から見ていきます。

≪FP試験概要≫

1.FP試験実施団体について

2.FP試験の難易度・合格率について

3.FP試験の日程や会場・申し込みについて

FP試験実施団体について

大きく分けて「日本FP協会」と「金融財政事情研究会」の二つがあります。どちらで受けてもFP技能士資格取得が可能です。どちらで受験するかは全くの任意ですので、皆様がお好きなほうを選んでいただいて構いません。どちらでも合格できます。ただ全くご存じない方は、その選択にも困ると思いますので、簡単に違いを触れておきます。

①日本FP協会

FP業界最大の民間団体で、日本最大級の会員数を誇るNPO法人でもあります。NPO法人とは特定非営利活動法人を指し、営利を目的とせず、ファイナンシャルプランナー活動の啓蒙や普及に力点を置いた団体です。1987年に発足し、2017年に30周年を迎えた業界の草分け的な存在でもあります。現在は、CFP21,463名、AFP158,460名で一般会員も含めると約20万人の会員数を擁しています。(平成30年3月1日現在)大きく独立系FPと企業系FPとに分かれます。企業系FPの多くが所属するのは金融業界ですが、とりわけ保険業界、証券業界が多いようです。そのため保険、証券業界の方が受験する場合はこちらを選択する場合が多いです。また一般の一個人として受験される方(一般企業勤務、主婦、学生など)の多くもこちらの日本FP協会での受験を選択されています。

本部は東京都港区虎ノ門にあります。

②金融財政事情研究会

金融財政政策や金融機関経営に対する情報の発信、金融知識の啓蒙を目的とし、1950年に当時の大蔵省所轄の社団法人として設立されました。2011年に一般社団法人に移行し、財務省や金融機関OBを中心とした役員で構成されています。金融業界の中でも、特に銀行業界との結びつきが強いといえます。そのため銀行勤務の方がFP試験を受験するときは、こちらの金財での受験を選ぶことが多いようです。

本部は東京都新宿区南元町にあります。

以上、簡単ではありますが二つの受験団体のご紹介です。どちらをチョイスするかは、もちろん皆様のご自由ですが、迷われている場合は、日本FP協会での受験でよいのではないでしょうか。いずれで受験してもFP技能士資格はしっかりとれますのでご安心ください。

FP試験の難易度・合格率について

さて肝心のFP試験の難易度についてですが、3級から1級まで分かれていますので、当然まちまちなのですが、どうしても取りにくい難しい超難関というわけでもなく、かといってあまり勉強しなくてもとれる簡単なものではない、と言えるでしょうか。国家試験ではありますが、頑張れば取れる、やりがいのあるレベルであることが言えます。単純比較はできませんが、中核となるFP2級試験と同程度の難易度にある他の資格としては、宅地建物取引士があげられます。もちろん宅建士試験は、不動産に特化したもので非常に細かい脚が出る難関試験ですが、FPはそれに対して6分野にわたるため、広範囲な学習が必要となり、受験にかける準備時間は結果として同程度といえるかもしれません。3級に関しては、比較的取りやすいのですが、まったく0から学習される方にとっては、3級合格後、2級の勉強をする時よりも、むしろ負担が大きいと感じる方も少なくないのです。やはりどの資格もそうですが、最初が肝心で、いかにスタート時(3級学習時)に基礎を身につけることが大事かといえるでしょう。3級に関しては、受験資格はありませんのでどなたでも受験できます。

最近の合格率は以下の通りです。

FP3級合格率(日本FP協会)

平成299

平成295

平成291

3級学科試験

78.47

71.87

67.20

3級実技試験

85.37

86.18

85.07

学科実技同時合格

74.35

72.04

67.79

3級に関しては、学科実技同時合格率7割前後と高いことが伺えます。詳細は第三回から第五回の3級編で詳しく述べていきますが、基本重視でしっかりやれば誰もが合格できる難易度の試験であるといえます。決して難しい試験ではありません。受験資格はなくどなたでも受験できます。学科試験、実技試験の違いについては次回以降で述べていきます。

FP2級合格率(日本FP協会)

平成299

平成295

平成291

2級学科試験

47.82

41.44

39.43

2級実技試験

58.34

46.79

63.87

学科実技同時合格

44.01

36.07

39.36

2級になると、3級に比べ合格率がぐっと下がってきます。3級同時合格率が7割前後であったのに対し、2級では4割前後に下がります。難化することが伺えます。そのため、社会的な信用度も2級からがぐんと上がることになります。ただどうしても取れない難しい試験では決してなく、こちらも試験傾向に合わせ基礎重視でしっかり固めれば合格できる試験なのです。やはりやりがいのある試験といえます。ただしFP2級は受験資格が必要となります。詳細は、2級編の中で述べていきます。

1級に関しては割愛させていただきますが、金融財政事情研究会実施の学科試験はかなりの難関(合格率1割前後)であることだけ申し添えておきます。

               

FP試験の日程や会場・申し込みについて

では次に試験日や会場についてみていきましょう。国家試験であるFP技能士3級、2級試験は、年3回行われます。毎年1月、5月、9月です。いずれも日曜日を使い、終日行われます。直前の本試験は平成30年1月28日でした。ここで皆様が受験されるであろう平成30年度の試験日程をご紹介いたします。

≪平成30年度試験日程≫

第1回:平成30年5月27日 (日曜日)

第2回:平成30年9月9日 (日曜日)

第3回:平成31年1月27日 (日曜日)

以上が試験日です。いずれも午前中に学科試験、午後に実技試験が行われます。

また申し込み期間は以下の通りです。

第1回:平成30年3月16日~4月6日

第2回:平成30年7月4日~7月25日

第3回:平成31年11月12日~12月3日

インターネットからの申し込みと、書類郵送での申し込みと2種類ありますが、現在は9割以上の方がインターネット経由での申し込みとなっています。入力もパソコンやスマートフォン上で済み、楽なのでこちらがお勧めです。

試験会場に関してですが、各都道府県の主要都市にて行われます。会場は、大学や専門学校、貸会議室などを用いることが多いようです。最近の東京の事例では、明治大学、早稲田大学、TKP貸会議室などがあげられます。あくまで一例ですので、今後変更がありうることは十分ご承知おきください。いずれにしても試験当日は、試験会場に早めに到着するようにしましょう。

以上、第2回はFP試験概要について、合格率や難易度、試験日、試験会場等についてご説明してきました。次回は3級試験に絞り、もう少し詳しく掘り下げてご説明していきます。どうぞお楽しみに!

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第5回:FP3級技能検定試験:過去問解説・学習法

第6回:FP2級の試験日・申し込み方法や合格率など

第7回:FP2級技能検定試験:過去問紹介と学習方法

第8回:FP2級技能検定試験:実技試験と学習方法


【執筆協力】

近藤喜隆

■所属

近藤FP事務所 代表 (有)徳友舎 代表取締役

■保有資格

・CFP

・1級FP技能士

・宅建取引士、

・相続アドバイザー協議会(R)上級アドバイザー

■所属・加入団体・等 

2009年 資格の学校TAC FP講座講師

2016年 一般社団法人「理想の住まいと資金計画支援機構」千葉支部長

2017年 日本FP協会「2017年度くらしとお金の相談室」相談員

 
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