2017年02月28日
藤野 慶和(ふじの行政書士事務所代表)

ペット可?楽器可?民泊可?マンションごとにルールが違のはなぜ?

藤野 慶和(ふじの行政書士事務所代表)

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こんにちは。マンションマニア行政書士の藤野です。

さて、今回は、「ペット可、楽器可」というマンションのルールについて考えていきます。


ペット可、楽器可、事務所可、民泊可?

分譲マンションの例ですが、たまに、ペット可、楽器可、事務所可などのマンションがあると思いますが、マンションごとに可だったり、不可だったりしますが、
どのような基準で、このようなことが可能になるのでしょうか?



基本的には、マンション=共同住宅は、所有者(区分所有者)全員の共有財産であり、そのルールについては「管理規約」で決めることになります。
管理規約には、区に画作った雛形があり、大体の業者は、この雛形に準拠して、あるいはほぼそのまま使用して、管理規約を作成します。
つまり、この規約(規約に基づき作成された「細則」)に、「ペット可」とか「楽器禁止」と明示されていれば、そのように取り扱われるわけです。
多くのマンションでは、ペットは細則が作られていることが多く、
その中で

「ペットは各住戸1匹に限る」とか、「大きさは体長〇〇㎝まで」などど規定されていることが多いと思います。もちろん「ペット禁止」というものもあります。


途中でルールをつくったら?

それでは、当初はルールがなく、途中でペット禁止となった場合についてはどうでしょう?

まさか、ルールができたからといって、まさか、動物を手放したりするわけにいきませんから、既得権として保護されます。

大体が、そのペット1代限りという場合が多いでしょう

同様に事務所やお店の用途なども、規制されるまで合法(規約に違反していない)のであれば、その権利は一定期間は保護対象となる場合が多いでしょう。


ちなみに、事務所やSOHOなどの使用の場合は、

例えば、日中は事務所として使用し、それ以外は居住用に使っている場合、専ら住宅の定義の範囲内の使用としているマンションも多くあります。しかし、不特定多数の人が絶えず出入りするような「店舗」の場合はこの限りではなく、あくまで、人の出入りが頻繁ではない「事務所」用途に限定されている場合が大半ではないでしょうか。分譲住宅で、"事務所可"で賃貸に出している物件であっても、"店舗、業種によっては応相談"としているのはこうした理由があるためなのです。



それでは、マンションで民泊は許されるの?

※以下、民泊新法の話ですから、興味のない方は、読み飛ばしてください。


以前、マンションでは民泊はやりにくいという話を以前したかもしれませんが、つまりは、これも管理規約の問題です。
ほとんどの、マンションでは、通常『民泊や事務所使用などの営業行為』は禁止されている場合がほとんどですが、
以前の記事で述べた通り「民泊は利回りの錬金術」ともいえますから、無許可でもやってしまっているわけです。


 専ら住宅として使用とは?
現在も多くのマンション管理規約で使用している文言に、マンションは「専ら("もっぱら"とよみます)住宅としての使用」とか「専ら居住の用」というように、用途が限定されていることがほとんどです。そもそも、建築基準法上、住居用以外には使用できない建物が多いのです。
 ちなみに2017年2月現在、民泊を規制する法律は「旅館業法」しかありませんから、正式に民泊をやるのであれば、旅館やホテル、簡易宿所(カプセルホテルなどの営業形態です)の営業許可が必要です。

 

住宅の定義?

それでは「住宅」の定義は何なのでしょうか?
国土交通省が定める「マンション標準規約」(単棟型資料2)の12条に「(専有部分の用途)第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。 」とあります。


この第12条については、解説もあり、「第12条関係 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。 」とされています。
と解説されています。
ところで、「生活の本拠」についてですが、
何日住んでいれば住宅で、どのあたりで線引きすると、生活の本拠なのか、ズバり法定された定義はありませんので、実際問題、無許可で民泊を「住んでいるんです。」とか「遊びに来ているだけです。」といわれると、何とも釈然としないというか、返答に困る場合があります。

一般的には生活の本拠=住民票が取れる というくらいのレベルで定義されることが多く、

行政解釈に依るところでは「30日」未満か否かが一定の指標となっています。


※30日未満は住居ではなく宿泊だとか、住民票を取れるかなどの行政解釈はあるのですが、あくまでも解釈論(通達レベル)であるため、法律上決着がついているわけではありません。


この規定のポイントはあくまで「専ら」であって「全て」を住宅として使用と定義してはいないことです。

何とも曖昧です。


民泊新法との関係

2017年通常国会で審議予定の民泊新法は、既に、素案ができ上がっているようですが、この法律は「住宅宿泊事業法(仮称)」といいます。

この法案の中では、
住宅とは、「生活の本拠として使用するために必要な設備が設けられている家屋、人の居住の用に供されていると認められるもの」、この法律の対象の住宅を「届出住宅」といい、建築基準法上の「住宅、長屋、共同住宅、寄宿舎」は届出住宅を含むとしています。

➡法案全文

※現段階では、解説がないので、マンションの標準管理規約(国土交通省の雛形)との整合性は不明ですが、このままいけば、マンションでの民泊営業も条件付きで可となる可能性が出てきました。

既に特区である大阪や大田区で法制化され実施されている国家戦略特別区域法に基づく「特区民泊」については、「住宅としての使用」の範疇での宿泊事業となっていますから、身の考え方が踏襲されると考えるのが自然だと思います。


また、年間180日の営業日数制限が付く予定ですが、180日が1年の半分を下回っていますから「専ら住宅」の要件を満たすのであるという解釈をするのかもしれません。

180日という数字は、既存の事業者である【ホテル業会】への配慮なのでしょうけど、世界的に見ると、まあ、民泊の日数制限としては、緩やかであるともいえます。


・民泊をしたい人にとっては朗報?

・平穏な生活を送りたい住民にとっては悲報?


かもしれませんが、注目すべき点は、新法が審議される段階で、標準管理規約の「専ら住宅」の部分の文言の変更や、解釈の変更があるかどうかです。

このあたりに、着目して新法の行方を注視すると、本質が見えてくるのかもしれません。


新法が制定されれば、民泊はますます身近になりますから、少なくとも、分譲マンションに住んでいるのであれば、近い将来、新法での民泊を"是"とするのか"非"とするのかの選択が付きつけられることになります。


有・無の2択ですから、「わからない」という選択はできませんかので、

はやくから情報を収集し、正確な知識のもと、民泊の是非について考えていただきたいとおもいます。





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