不動産価値の増減については、様々な側面から決定される機会があります。

いざ不動産を売却しようという機会に、なるべく高値で売却したいというのは当然でしょう。

その方法として、あえて一度コストをかけて建物を改修することなどがありますが、ここでは隣地の取り込みという方法を考えてみます。

道路に接するために隣地を買い足す

土地の価値を決定するための要素の一つに、その土地が道路に面しているかどうかが挙げられます。

というのも、土地に建物を建てようとする際に、道路に面していないと法律上問題が発生するからです。

そのような土地を魅力的に思う人は、あまりいないでしょう。したがって、その土地はどうしても低い価格に抑えられます。

道路に面していないばかりに土地の価格が低くされているところがあれば、その隣地となっている土地の状況を観察してください。

それをを買い足すことによって、道路にまで到達することができそうな場合には、その土地を購入するメリットがあります。

道路に達する土地を買い足すことで、価値が数倍になることがあるからです。なお、ここでいう「道路」とは公道に限らず、私道も含まれます。

土地の価値を見極める時には、その土地の周りの環境を観察することを心がけましょう。

斜線制限に考慮した隣地の買い足し

容積率の大きさは、直接的にその不動産の価値を決定してきます。ただ、この容積率は「キーワードで読み解く不動産投資(その5:容積率)」で見たように、その周囲の環境によって様々な抑制を受けます。

キーワードで読み解く不動産投資(その5:容積率)」では、前面道路の幅員に関して解説しましたが、ここでは斜線制限について見て見ます。

斜線制限とは、主に日当たりという面について、周囲の環境への配慮から建物を高さを抑制するものです。

たまに混み合った住宅街で、建物の上方の部分が斜めに切り取られたようなスタイルになっているのを見かけたことはないでしょうか。

あれは、まさにこの斜線制限によって生まれたスタイルです。

この制限があるために、都市計画上の容積率は、実際にはさらに低く抑えられます。

斜線制限は隣地への影響が大きな要因になりますので、その隣地を買い足すことで、買い足した隣地のコスト以上のメリットを持つ容積率を手に入れられることがあります。

もちろん都合よく買い足せることは、そうそうないかもしれません。

ただ、このような容積率を高める手段を知っておけば、本来は隣地の買い足しなどで価格を引き上げられるのに、単に容積率が低いために価値が低いくなるのは仕方ないと諦めることをしなくてすみます。

 
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