皆さんこんにちは。国際不動産コンサルタントの市川隆久です。

この一年、世の中を賑わしているAI(人口知能)ですが、不動産業界にも特に売却の価格査定においてかなり活躍してきたな、と私思っています。

<不動産売却査定の世界とは>
不動産の売却査定において、他の商品と異なるのは個別性の強さです。
個別性が強いために、売却実績のデータを増やすと数字の精度が甘くなります。
一方で個別性を追求し過ぎるとデータの母数が少なくなります。

同じマンションでも同じ間取り、同じ向き、同じ眺望、同じ階数、同じ時期、などが合えば極めて高い精度の査定額を出すことが出来ますが、例えば時期ぐ半年ズレていると、他の要素も相まって、精度がブレることも多くあります。

首都圏のマンションに限ってみると、新築と中古のマンションの販売取引戸数が3万5000戸ずつで同じになったということが昨年ありましたが、合計で7万戸ですね。1か月平均で約6000戸になります。1ヶ月6000戸ってそんなに多くないですよね。

<マンションを買う人の確率は1年間で1%!?>
首都圏マンションエリアの人口が約2000万人で世帯数だと700万人くらいだとして、一年間でマンションを買う割合は世帯数の1%の計算になります。

そうなると100戸のマンションで一年間に1戸売れることになります。
30戸のマンションだと3年間に1戸しか売れたデータは取れない、ということになります。

あとは売れた価格がどこまで分かるかもレインズベースでの限界もあります。

マンションが売れる価格は、その時の競争状況や株価などの心理状況にも影響されます。

他にも賃料からの利回りや融資の状況、税金のかかり方の変更など、多数の外部要素も相まっています。

<AIが不動産業界を変える日は近い!?>
そのあたりのデータを組み合わせて、正解に近い数字を出すことはまさにAI(人口知能)の得意分野ですよね。

天気予報がエリア含めて精度が高まっていますが、コンピュータの進歩のおかげでしょう。

ただし、気象予報士も存在します。
しかし気象予報士はコンピュータのデータを見て、経験も交えて天気予報をすることになりますね。

不動産の売却も近い将来には、必ずAIが精度の高い査定価格を提示することになるはずです。
いや、既にデータは出来ていて、あとは、人間が使いこなすことがいつ出来るか、ということになる日も近いと思います。

 
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