こんにちは、ファイナンシャルプランナーの飯田敏(いいださとし)です。

不動産会社での現場経験は10年を超えます。

現在は、㈱住まいと保険と資産管理で一般の方向けに

ライフプランにまつわるコンサル業務をおこなっています。

今回は売買契約からの始まり(前編)をお伝えします。

 

 

<売買契約一連の構成>

かつて、自身が買主として購入経験がある方は、ある程度イメージがつくかもしれませんが、

例えば、新築マンションの集団合同一斉契約された方などは、

売却の契約の流れが購入時とはかなり異なりますので、

事前知識は持っておいた方がよろしいでしょう。



その1【重要事項の説明】

売買契約の前には「重要事項説明」が行われます。

売買契約前に行うよう法的に義務付けられているもので、

どのような物件であるかの解説や契約に関する解除条件や特約に関して

買主に説明するものです。

最近では、たくさんの容認事項(買主に事前に知っておいてもらいたい不利益となる可能性がある事項を含む)

が盛り込まれています。

売主の署名捺印を必要とする形態の書式もあるので、売主の同席を求めるケースも多いようです。



その2【売買契約】

代金の支払い方法や引渡し時期、双方が負担すべき内容、契約解除の条件などが記載されています。

売主、買主はともに定めた期限までに契約を履行すべき債務を負っているとの前提となっています。

売主は約束した期限までに、約束した状態で引き渡さなければなりません。

期限を過ぎると履行遅滞に該当し、トラブルにつながる可能性が高まります。

安易に延期の相談も可能だろうと憶測で判断してはいけません。

したがって、期限は重要なポイントですから、確実に物件を引き渡せる日を設定する必要があります。


契約に付属するものに


・付帯設備表(残すもの、撤去するもの、使用の可否などを記載)


・物件状況報告書(伝えるべき告知事項や引き継ぐ事項)


があります。



*付帯設備表

エアコン、照明、カーテンなどを残すのか撤去するのかが、買主とよく協議事項に上がります。

売主側がまだ十分に使用できるので、親切心で残してあげる意向であったとしても、

買主は撤去を求めるケースはよくあります。


廃棄するにも費用がかかる時代なので、基本的には自分で撤去のする心づもりで、

もし、買主から残してほしいとの希望があれば置いていくぐらいのつもりでいるのが良いでしょう。


厄介なのは、撤去するのにもお金のかかる庭木や庭石や池などをどうするかの話になった場合です。

せっかくお金をかけた立派な庭でも、もし、買主が駐車場や駐輪スペースや芝生の庭にしたいと考えている場合、

コストがかかる無用の長物でしかないこともあります。

また、古さが目立つようになった屋根付きカーポートや大型の物置なども撤去の対象となりがちです。


このような撤去が懸案になりそうな場合は、契約前の条件調整で事前に解決しておく必要があるでしょう。


また、もっとも時間がかかる条件で注意を要するのが、建物の解体撤去すなわち更地渡しです。

この場合は、建物の滅失登記(めっしつとうき)までを条件とされることが多く、

しっかり見積をとって工期や登記完了時期を把握しておかないと、履行遅滞になりかねません。


撤去が大がかりで時間がかかりそうな場合は、それも見越して引渡しができる日を設定するよう注意しておきましょう。

次回は、売買契約からの始まり(後編)をお伝えします。

お楽しみに!

 
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