「不動産営業 独立大作戦」 池田浩一

「いつかは独立」と考える不動産会社の社員は多い…

しかし、何の考えもなしに独立できるほど甘い世界ではない。

成功するためには社員であるうちにできる準備をこっそりしておこう。20年以上不動産会社を経営している池田浩一氏が社員のうちにやっておくべき独立までのノウハウを伝授する。

今回は独立後に力尽きた時のパターンを分析する。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

今回は、新たに立ち上げた不動産業者がいかにして廃業していくか、よくあるいくつかのパタ-ンを取上げたいと思います。宅建業者の廃業理由としては、業績不振、後継者問題、行政処分などが挙げられます。しかし、開業後5年以内、つまり宅建免許の最初の更新をすることなく廃業する業者には一定のパタ-ンがあります。溢れんばかりのやる気と情熱を持った新規業者だからこそ陥り易い盲点を学び、確実に成功を手にしてください。

廃業パターン

①何でも屋タイプ

開業直後の新規業者が陥り易いものの1つに「何でも屋タイプ」があります。開業して暫くは、とにかく早く業績を上げたいという焦りと、チャンスがあればどんなことにでも取り組んでみたいという情熱があります。そのため、独立前に時間を掛けて考えていた主力業務の範囲や内容を業務が安定する前に事業領域を広げてしまい、業界や地域に対して打ち出していくべき会社のウリを見失ってしまうのが、このタイプです。

例えば、主力業務は売買仲介で3,000万円~5,000万円台の一次取得者向け居住用物件の取扱いを中心に、新規開拓した水面下情報をどんどんと商品化する予定だったはずが、数億円台の収益物件から、店舗、事務所など事業用物件、賃貸仲介やリフォ-ム提案に至るまで、「あれも有ります。これも有ります。何でもできます。」といった感じで会社のカラ-をまだらに染めてしまうタイプです。結果、消費者からは「何でもできるのは分かったけど、おたくは一体何が得意なの?」と評価されてしまうのです。 

このタイプの厄介なところは、自分が何でも屋に陥ってしまっていることに気付かない点です。あなたが、なんでも器用にオ-ルマイティ-にこなせることは分かります。しかし、もう一度、第4話(こちらから)でお話しした会社のウリの重要性を思い出して、業界、地域に受け入れられるまでは、主力業務に専念してください。2年目以降にその意味が必ず分かります。

 
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