住宅ローンコンサルティングを行っている株式会社FPアルトゥルの井上です。今回は基準金利(店頭金利)と適用金利についてまとめます。これらの違いを理解しないまま住宅ローンを借りる人が多いですが、意外とこの違いは重要です。しっかり理解しておきましょう。

基準金利(店頭金利)と適用金利とは
住宅ローンの金利には「基準金利」(「店頭金利」)と呼ばれるものと、「適用金利」と呼ばれるものの2種類があります。例えばみずほ銀行の変動金利は0.625%(最優遇金利)ですが、これは「適用金利」にあたります。「基準金利(店頭金利)」は2.475%です。定価」である店頭金利2.475%から金利を1.85%値引き(優遇)して0.625%まで下がった、という理解をするとよいでしょう。

住信SBIネット銀行の変動金利は、基準金利が2.775%で、適用金利は0.497%(自己資金20%以上の場合、なお借換えの場合は0.447%)となっています。ソニー銀行の変動金利は基準金利が1.849%で適用金利は0.499%(変動セレクト住宅ローンの場合)となっています(なお、ここに挙げた銀行をお勧めしているわけではありません、基準金利と適用金利を理解するための例として挙げています。変動金利タイプであれば別の銀行を使うことの方が多いです)。

適用金利はどう決まっているか? 大手都市銀の変動金利を例に
さて、住宅ローンの金利を決める際、指標となる値があります。変動金利では「短期プライムレート」と呼ばれるもので、全期間固定金利等では「長期金利(新発10年もの国債の金利)」です。変動金利は短期プライムレート(短プラ)と連動する傾向が強いのですが、短プラと連動するのは金利優遇後(値引後)の0.625%(上記みずほ銀行の場合)という部分ではなく、基準金利(店頭金利)の2.475%(同みずほ銀行の場合)という値が連動しているのです。

短期プライムレートはここ数年変化がなく、先に例として挙げたみずほ銀行の変動金利の基準金利2.475%というのは、ここ8年ほど変化がありません。しかし、適用金利の方はこの間に1.475%→1.275%→1.075%→0.875%→0.775%→0.625%と下がってきています。これは金融機関の間における金利引下げ競争の結果、と理解すべきです。

金利の値引き体系は2種類ある
住宅ローンの金利は定価である基準金利(店頭金利)から金利優遇(値引き)を行い適用金利が決まります。この金利優遇には2つの種類があります。全期間、金利の優遇幅が同じというタイプ(全期間優遇タイプ)と、当初の数年間は金利を大きく引下げるが、その後の優遇は小さくなるというタイプ(当初期間優遇タイプ)との2つです。

三菱UFJ銀行の10年固定を例にとると、全期間1.85%金利を優遇するタイプと、当初10年間は2.2%の優遇を行い、11年目以降は優遇幅が小さくなり1.4%の優遇になる、というものの2つがあります。金利優遇には2種類あり、利用者がローンの申込時点で決めることができますが、どちらが有利になるかをきちんと計算して選択していく必要があります。その辺りは次回にまとめます。

弊社株式会社FPアルトゥルでは住宅ローンのコンサルティングを実施しています。新しく住宅ローンを組む場合はもちろん、住宅ローンの借り換えコンサルティングも実施中。金利優遇条件の違いも踏まえ、総合的に間違いやすい点を熟知したプロのアドバイスを受けられます。住宅ローンをプロに任せるという選択もご検討ください。

株式会社FPアルトゥル

井上光章

 
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