こんにちは、不動産FPの岩渕です。

(前回の続き)ちょうどバブルがはじけた翌年に私は住宅系のデベロッパーに転職しました。そしてその会社に10年あまり在籍しましたが、今でも思い出すあることがあります。当時その会社はマンション用地としてかなり大規模な土地を都心に保有していたのですが、バブルが崩壊し会社の財務状況もひっ迫していたのでその土地を売るかどうかを議論していました

但し、バブル最高時より土地の価格は既に3割程度下がっていたので、地価の回復をもう少し待つかどうかが悩みの種でした。私はそのPJの担当だったので当時銀行OBの財務役員ともよく打合せしましたが、その役員曰く「銀行から借りている金利は2、3%程度だし、このまま4,5年は借りていられる、トータルで利払いは10%程度にすぎない、今急いで売らなくても4,5年待てば土地の値段も10%以上は優に回復するだろう。だからこのまま持ち続けよう」。

私も当時はその通りだと思っていました。実際は・・・そのままずっと下がり続けて半分以下になってしまいました。

あえて自己弁護後すると、当時借入金をすぐに銀行に返す必要に迫られていない会社は同じような判断を結構していたと思います。

当時の判断は誤りでしたが、土地の価格が上がったり下がったする構造は今も昔も全く変わらないと思います

つまりそれは土地の価格は銀行の融資姿勢に強く左右されるということです。

銀行が不動産向けの融資を増やせば不動産会社は競って土地を買うので価格は上がります。

融資を引き締めれば土地を買えなくなるので土地の価格は上がらなくなります。

さらに銀行が貸付金の回収に向えば多くの不動産会社は保有している土地を売らざる得なくなるので価格は下がります。

昭和の強烈なバブル(崩壊)も、リーマンショックも全て構造は一緒です。

そして、現在はというと、アベノミクスで不動産融資環境は量的緩和だけでなく、史上最低金利という質的緩和も加わった状況ですので、土地は買いやすいですし、保有していても利息はさほどかかりませんので、三度目のミニバブルになっていると思います。

しかし、以前の2つのバブルが永久に続かなかったように、いずれどこかの場面ではじけることでしょう。業界内部では東京オリンピックの1,2年前あたりというのがよくささやかれています。ここ1,2年はそういう心構えで地価の変動を注視する必要がありますね。

 
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