こんにちは、不動産FPの岩渕です。

今回は、先回の続きで、(特に都市部商業地の)取引価格がなぜ公示地価より数倍となることがあるのかを考えてみましょう。


○時点のずれ


公示地価とはその年の1月1日における土地の時価です。

ということは1年間で30%アップする土地であれば、7月1日に取引きされた土地の時価は1月1日の時価(すなはち公示地価)の15%アップと考えるのが適当ということになります。

このように公示地価と取引価格には必ず時間的ずれによる価格差があります。


○取引価格は適正な時価とは限らない


公示地価は、「適正な時価の形成に寄与するため」、「正常な価格」を公示するとなっています。

しかし実際の取引現場では、売手は一番高い価格を提示した買手に売却するだけです。

問題は取引価格が、常に適正な時価かどうか、正常な価格かどうか、ということです。

例えばある土地に10人が1億円の買付を出して、1人だけが2億円の買付を出したとします。10人は収益性から逆算して合理的に値付けをしているのに対して、1人は合理的な理由(算出根拠)などなくいくら高くてもとにかくこの土地が欲しいということで値付けたとします。この場合、理論的には1億円が公示地価(適正な時価、正常な価格)かもしれませんが、公表される事例としての取引価格は2億円となるわけです。

現在の様に地価上昇局面で、人気がある銀座や青山・表参道等の希少な土地は、公示地価より取引価格が数倍高くなるのは当たり前かもしれません。


○路線価、固定資産税評価額とのバランス


公示地価の役割の一つとして「土地の相続評価および固定資産税評価についての基準となること」があります。

具体的には先回お話ししたように、相続税路線価は公示地価の80%、固定資産税評価額は公示地価の70%を目安としています。これはつまり公示地価が30%上がれば、基本的には固定資産税も相続税評価額も30%上がることになります。土地の所有者にとってはこのような急激な変化は好ましいものではありません。実際昭和バブル時代から土地の乱高下にともなう固定資産税についての不服申し立ては急増しました。

従って地価の増減があまりに急激であれば路線価、固定資産税評価額とのバランス調整も必要になります。


特に最近都市部ではホテル需要が土地相場を大きく引き上げていますが、ホテル建設用地は大通りに面していない裏通りでも大通りと遜色ない価格で取引される例が多くみられます。一方、路線価は大通りと裏通りでは相当な差がつくのが普通です。このことが、取引価格と公示地価に大きな差がつく一因にもなっているかと思います。


ただし、一般的な住宅地域の時価は公示地価と大きな差はないと思いますので、戸建て用地の価格妥当性を検証するには公示地価や路線価との比較が有効かと思います。


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