2017年03月31日
岩﨑 孝太郎

手付金と分割払い

岩﨑 孝太郎

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 こんにちは、弁護士の岩﨑です。

 

 不動産の購入をするときには、ほとんどの場合、最初に手付金を支払います。

この手付金については、特に解除の有効性等をめぐってこれまでに数多くの裁判例があります。

 手付金は、不動産売買契約の成立の際に、必ず交付されるものである一方、このようにトラブルが発生しやすいものでもあります。今日は、手付金の規制の話をしたいと思います。

 

1 手付金は分割払はできない

 手付の分割払いにより契約を締結することは、「信用の供与」による契約の誘引行為にあたると考えられています(宅建業法の運用として)。

 そのため、もし不動産を購入する際に消費者の負担を減らそうと、売主である不動産業者がたとえば手付金の分割払いの提案をした場合、不動産業者の行いは宅建業法47条3号の禁止行為に該当します。

 この禁止行為は、処分基準が業務停止15日(損害が実際に発生しているときは30日)と重い処分の対象となっています。

 

 たとえば、本来手付金として200万円が必要なところ、50万円の4回払いのような売買契約を締結した場合には、不動産業者は前述した宅建業法に違反することとなります。

 

 この場合に、もし買主である消費者が、1回目の50万円のみを支払って手付金による契約解除を申し出た場合、残りの150万円を支払う必要はあるのでしょうか。

 

 これは手付の法的性質にもかかわることですが、手付契約は要物契約であることから、約定の手付金の一部が支払われていない場合、手付契約は成立に至っておらず、あくまでも手付の予約がなされたにとどまり、まだ実際に手付金の交付がなされていない段階においては、不動産業者は交付されていない手付金の支払を買主たる消費者に請求することはできないと考えられています。

 

 そうしますと、買主が契約を手付金によって契約を解除した場合には、買主の手付の支払い義務については、150万円を支払う必要性はないことになります。

 

 結局、手付の分割払いは、不動産業者にとっても、良くないものとなっています。

 

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