住宅の購入をするときには家計の状況に合わせて資金計画を作る必要が有ります。私は不動産の営業をしているときに住宅ローンの返済ができずにせっかく買った家を泣く泣く売るというご家庭を沢山みてきました。その方々は決して収入が低いご家庭ばかりでなく中流のご家庭がほとんどで、購入の時の資金計画をしっかり立てていなかったためそのような状況に陥ってしまったのです。

資金計画を立てるための参考として6回シリーズで中古住宅に関わる費用について述べていきます。

シリーズ構成

1    中古住宅を購入するための費用

2    住宅の所有権を主張するための費用(当記事)

3    お金を準備するための費用

4    購入後に住宅を守るための費用

5    住宅を維持するための費用

6    建替えの費用

住宅の所有権を主張するための費用とは所有権移転登記の費用です。

   登記とは

登記とは第三者が誰がその不動産の所有者なのか確認するために所有者を登録するもので、不動産取引の時に第三者が不測の損害を被らないための制度です。

   所有権移転登記とは

売主Aに所有権があると登記されていたものを買主Bに所有権があると登録しなおすことを言います。これによってBは、売主Aから購入したと主張する別の買主Cに自分のものだと主張でき、それが法律的に認められます。つまり、CAにお金を払っていたとしてもその不動産を自分のものにすることができず、Bは所有権移転登記をしていることで自分のものにすることができるというわけです。

   所有権移転登記にかかる費用とは

所有権移転登記には2種類の費用が掛かります。国に対する手数料(税金)と司法書士への手数料です。

ⅰ.国に対する手数料

  所有権移転登記には登録免許税がかかります。登録免許税は物件の評価額(固定資産税評価額を用いる)に税率を乗じた金額になります。

期限付きで軽減税率が適用されるので詳しくは国税庁のホームページ(https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7191.htm)を確認する、不動産仲介業者に聞く、見積もりを出してもらうなどしてください。

ⅱ.司法書士への手数料

司法書士への手数料を解説します。

 Ⅰ.所有権移転登記手数料

 司法書士が売買の当事者に変わって手続きをするための代行手数料です。

 Ⅱ.住宅用家屋証明手数料

   住宅用の家屋には登録免許税の軽減税率が適用されるので、住宅用であることを証明する必要があります。その書類を作成してもらうための手数料です。

 Ⅲ.立合い・事前調査

   所有権移転登記をするためには売主・買主からの委託が必要です。売主・買主から司法書士へ委任状を提出してもらうのが一般的ですが、本人確認のために契約時または引き渡し手続き時に司法書士が立ち合います。また、代金の引き渡しの確認をして実質的な所有権の引き渡しが行われているかどうかの確認をするという意味もあります。

 Ⅳ.登記事項証明書等取得費用

   登記事項証明書等、間違いなく登記をしているとの報告のために必要な書類を取得するための費用です。

取引される不動産や取り扱う司法書士事務所によって金額は様々なので具体的な金額は述べませんでした。実際の取引の際にはなるべく早い段階でおおよその金額を不動産仲介業者に確認するか、司法書士の見積もりを取得するようにしてください。

また、住宅ローンを組む場合には上記費用のほかに抵当権設定登記手数料や抵当権設定のための登録免許税も必要となりますので忘れずに資金計画に入れるようにしてください。

 次回は「第3回 お金を準備するための費用」です。

 
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