住宅の購入をするときには家計の状況に合わせて資金計画を作る必要が有ります。私は不動産の営業をしているときに住宅ローンの返済ができずにせっかく買った家を泣く泣く売るというご家庭を沢山みてきました。その方々は決して収入が低いご家庭ばかりでなく中流のご家庭がほとんどで、購入の時の資金計画をしっかり立てていなかったためそのような状況に陥ってしまったのです。

資金計画を立てるための参考として6回シリーズで中古住宅に関わる費用について述べていきます。

シリーズ構成

1    中古住宅を購入するための費用

2    住宅の所有権を主張するための費用

3    お金を準備するための費用

4    購入後に住宅を守るための費用(当記事)

5    住宅を維持するための費用

6    建替えの費用

1.住宅がさらされるリスク

  住宅がさらされるリスクは自然災害と人的災害に分けられます。購入した住宅にどんなリスクがあるか確認し、起きる可能性のあるリスクに備える必要があるかどうかを検討することで、無駄な費用を抑えることができます。

   自然災害

◎火災(人的災害の場合もあり)

◎破裂・爆発(人的災害の場合もあり)

◎落雷

◎風災(台風・竜巻など)

◎雹災

◎雪災

◎水災(洪水・大雨による土砂崩れ等)

   人的災害

◎火災(自然災害の場合もあり)

◎破裂・爆発(自然災害の場合もあり)

◎水濡れ(マンション上階からの水漏れなど)

◎盗難

◎破損・汚損

2.火災保険・地震保険の選び方

起こり得るリスクを確認し必要な備えを検討するにあたっては、

   起こり得るリスクを列挙する

1.住宅がさらされるリスク」から購入した住宅に起こり得るリスクを選んでみてください。

例えば、土砂災害などは都道府県や市町村などの自治体で作成するハザードマップに、地域ごとに警戒・注意が必要という情報が載っていますのでそちらを参考にするとよいでしょう。

   現時点で準備できている備えを確認する

次に現時点で準備できている備えを確認してみましょう。

例えば、盗難のリスクですが、ホームセキュリティーサービス会社との契約をしている場合、盗難保険が付帯されていることがあります。現金・貴金属・家財などの盗難にあったもの〇〇万円まで、ガラスが破られたなどの建物の損失〇〇万円までなど保障されますので確認してください。

   ①のリスクのうち備えのできていないものをカバーしてくれる保険を選ぶ

起こり得るリスクと準備のできているリスクを確認したら準備のできていないリスクについて火災保険で補う必要があります。次項ではいくら保障してくれる保険に加入すべきかを考えてみましょう。

3.保険金額の設定

火災保険の保険金額(保証してくれる上限金額)には時価と再調達価額があります。時価で保険を設計すると、例えば家が火災で全焼しても、築30年経っているような時価300万円の建物には保険会社から300万円までしか支払われません。

一方再調達価額で保険を設計すると時価300万円の建物であっても例えば1,500万円の保険金額を設定することも可能です(上限の計算式は決まっていて、自由に保険金額を決められるわけではありません。)。

当然時価の方が保険料は安くなりますが、万が一の時には貯蓄など保険以外の備えが必要です。再調達価額の上限で契約するにしてもケースによっていくら支払われるかを確認し、万が一の時にどう生活するかシミュレーションしてから保険に加入することをお勧めします。

 次回は「第5回 住宅を維持するための費用」です。

 
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