2016年10月10日
皆藤 一郎

「隣りの家が売りに出たら借金してでも買え」というのは「家を売る話はまず隣りに持って行け」と同義?

皆藤 一郎

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 「隣りの家(土地)が売りに出たら借金してでも買え」とは諺の如く言われていますね。実際には家(建物)よりその土地に価値があるのです。自分と所有する土地建物と地続きの土地が手に入れば様々な可能性が広がります。(ですので区分マンションより戸建てのお話ですね。)

 

 例えば、日当たりが良くなる、庭が広がる、外部に駐車場を借りていたが敷地内に車が止められるようになる、家を建て替えるときに二世帯住宅や余裕をもった間取りの設計ができる・・・などなど。容積率が高いエリアであれば自宅兼賃貸マンションなどに建て替えることもできるかもしれません。

 

 確かにそのような土地が手に入るチャンスはなかなかないので、その機会を逃さないように借金してでも買えと言われるのは良くわかります。

 裏を返せば家と土地を売りたいと思ったときに、一番高く売れる可能性があるのはお隣さんという言い方もできるでしょう。また「お隣さんにしか売れない」という場面もあります。

 

 私の取引事例で2つあります。


①まさに「お隣さんにしか売れない」という事例




 兄弟5人で共同相続した親の家を売却処分して現金化し、それを配分するというお話でした。家屋は約10坪の平屋でしたが土地は約30坪ありました。しかしながらいわゆる接道条件が満たされておらず建築基準法上の道路に幅2m未満の接道で、建物の再建築が不可であるという物件でした。

 

 再建築不可の物件は市場性が乏しく、少なくとも自宅用地として買うということはあり得ないのでなかなか買い手が見つかりません。とはいえ誰も住まない家を兄弟で共有で持ち続けるわけにもいかないので、売却準備のための測量・境界確認を行っていたところ、測量士の方から「お隣さんがその土地に興味持っていそう」という情報が入りました。

 

 すかさずそのお隣さんに私がご挨拶に行くと、何でもお隣さんの親が元々土地を切り売りして売却相談者の親に売ったのだとのこと。自分の家も古くなってきたので建て替えるなら土地は広い方がいいし、元々親の土地でもあるので買い戻せるなら買い戻したいというご意向でした。ただし、市場性がない土地ということは分かっておられたので「安く買えるなら」という条件付きでした。

 

 売却相談者はお隣さんとは面識がありましたが、実は関係性があまり良くなかったようで交渉は全て私が行いました。また「安く買えるなら」ということも引っかかっていましたが、「お隣さんにしか売れない」であろうことも理解され、周辺の接道条件に問題のない土地と比べればだいぶ安い金額となりましたが無事契約しお隣さんにお引渡ししました。



「お隣さんだから高く売れた」事例



 

 もう1つは「お隣さんだから高く売れた」事例。

 家の前に道路があって幅2m以上接道していてもその道路は「実は道路じゃない」という場合があります。

 

 前面道路が私道のとき「建築基準法第43条第1項但し書き道路」というものがあり、最初に建物を建てたときは条件を満たした道路として扱われていたものが、法改正によって私道の所有者や私道に接する土地家屋の所有者の承諾を得なければ新しく建物を建築できない道路状の空地となってしまったものです。

 

 その但し書き道路に接している土地は建物の再建築が不可なわけではなく、市場性もありますが、新築をしようと思った際には通常より手間のかかる手続きが必要になるので余計な費用も時間もかかることが多いため、同じエリアの接道に問題ない土地と比べれば価格は安くなる傾向にあります。

 

 しかし、既に築年もそう古くない自宅がありその南側の土地が手に入るとしたらその人にとっては唯一無二の物件です。居住していた親族が亡くなり空き家のままにしておくのもいけないということで売却をしようと準備をしていたら前面の道路が但し書き道路であることがわかり、販売戦略を見直そうと思っていたところやはり測量士の人から「お隣さんがその土地に興味持っていそう」という情報が入りました。測量士さん様様です。

 

 お話をしたところ周辺の他の一般的な取引事例と同水準の価格で購入するということでしたので、迷いなくお譲りすることになりました。「お隣さんだから高く売れた」のであり売った方も買った方も喜ばれた事例でした。

 

 以上の事例のように、「お隣さんが重要な取引相手」になることがあります。様々なお付き合いのなかで必ずしもお隣さんと良好な関係が築けていない場合もあるかと思いますが、境界確認のハンコをもらわなければいけない重要な相手になることもありますので、不動産コンサルタントなどの第三者を入れてでもうまく付き合っていきたいものです。

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