元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術


お盆休みも無駄にしない、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる不動産営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。


トップ営業に学ぶシリーズ。今週は不動産業界の名言から始まります。(リビンマガジンBiz編集部)

(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

契約まではお客様。決済までは顔見知り。決済終われば赤の他人

この言葉を初めて聞いたのは、私が27歳くらいの時だったと記憶しています。

当時可愛がって頂いていた他社のトップ営業担当から、酒の席でこの言葉を聞いた時、大爆笑しながらも「酷いことを平気で言うなぁ」と思ったものです。まぁ、酒の席とは言え、こんな酷い台詞で大爆笑した私もどうかと思いますけれど…。

このトップ営業担当は、私のたった2歳年上にも関わらず、そのエリアの不動産業界では知らない者がいないほど名前を売っている営業担当で、いつもダブルのスーツをビシッと着込み、肩で風を切って歩いておられたものです(ダブルのスーツってところが時代を感じますが)。

少しおっかない雰囲気の方でしたので、この「契約まではお客様。決済までは顔見知り。決済終われば赤の他人」という台詞も、「お客さんを泣かすくらいの営業手法でガンガン業績を上げておられるのかな?」と思いながら聞いておりました。

しかし付き合いが深くなるにつれ分かってきたのですが、このトップ営業担当は既契約者からの紹介による案件も多く、お客様への対応も非常に丁寧な方であることが分かってきたのです。

ある日、私は何気なく「決済が終われば赤の他人などと言われていたのに、随分と丁寧な仕事をされるのですね」と聞いてみたのです。

すると、このトップ営業担当は次のように答えてくれました。

「決済が終われば赤の他人というより、そもそも客なんて他人だよ。それなのに我々不動産業界の人間は【お客様の人生に携わる仕事】とか【一生に一度のお買い物のお手伝い】とか言い過ぎだと僕は思うな。そんな自分勝手な思い込みで客に接したら、それこそ重たい押しつけの営業姿勢になると思うよ。変な思い込みを捨て、客なんて所詮赤の他人と思った方が、お客さんのニーズも見えて来るし業績もあがる。その辺を勘違いしている営業が多すぎて嫌になるよね」

当時の私はどちらかというと「お客様の人生に携わる仕事」という点に誇りを持って仕事をしておりましたので、上記の様な説明を素直に受け止めることが出来ませんでした。

しかし、この歳になって、色々な営業担当に会ってみて、「契約まではお客様。決済までは顔見知り。決済終われば赤の他人」という言葉の意味が少し分かってきた気がします。

確かに営業成績がイマイチな営業担当や、既契約紹介案件の少ない営業担当の中には「一生に一度のお買い物のお手伝い」などと言っている方が多いように感じます。

そして、次のような発想をしているように思うのです。

>>2ページ目:成績イマイチ営業担当にありがちな思考とは(続き)

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