「売り主専用会社案内」で、不動産仕入れDMの反響増
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
不動産仕入れにかかせないＤＭ（ダイレクトメール）について、集中的に学ぶ、このシリーズ。第10回目の今回は、「売主用の会社案内」についての知見を伝授します。（リビンマガジンBiz編集部）
みなさん、こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。
前回（2019年12月18日公開）のコラム「不動産仕入れDMに同封する、3種類の書類等を紹介」の最後で、どのような売主用会社案内を作成すれば良いのかについて、次回のコラムで解説いたしますとお約束致しました。そこで、今回のブログは「売り主専用会社案内」について触れたいと思います。
前回も申し上げました通り、不動産会社の会社案内は「買主向け」になっているケースが多く、「マイホームの夢を実現します」や「大きなお買い物のお手伝い」、「気に入る物件が見つかるまで、全力を尽くします」等々、買主に訴求する文言をばかりを目にします。
しかし、このような内容では、売主様の心を捉えることは出来ません。
売主専用の会社案内とはどのようなものでしょうか。
売主用の会社案内というと先ず頭に浮かぶものは、大手仲介会社が作成している「不動産売却のご案内」のような冊子です。
内容は、各種媒介契約の違いから、売却諸費用、売却時のQアンドA,売却の流れ等々が記載され、最近では、ホームステージングやハウスクリーニング、インスペクション、設備保証等にも言及しているものが増えています。
では、上記のような内容を網羅した会社案内を作成し、不動産仕入れDMに同封すれば、売り反響は増加するのでしょうか？
前ページのような内容は確かに、売主様のメリットに繋がることが多いため、売主様の支持をある程度は得られるでしょう。しかし、売主様の一番の希望である「高く売る事」に対する言及がない事には、売り反響は増加しません。
ホームステージングによって室内が格好良く見えることで…高く売れる。
ハウスクリーニングで室内が綺麗になることにより…高く売れる。
インスペクションで買主が安心する事により…高く売れる。
アレもコレもソレも、何でもかんでも…高く売れる為の施策であることを強調しましょう。
ホームステージングやハウスクリーニング、インスペクション、設備保証等を実施していない不動産会社様であっても、「我社は〇〇〇、△△△、□□□、◇◇◇という理由により、あなたの不動産を高く売却する事が可能です」と説明出来る会社案内を作成し、不動産仕入れDMに同封すれば、売り反響は増加すると思います。
何度も何度も同じことを申し上げて、大変恐縮ですが、売主様に響くPOINTは「高く売れる事」だけだと認識し、その点を徹底的に訴求したツールを作成して下さい。
POINT
・売主専用の会社案内を作成し、DMに同封しよう。
・必ず「高く売れる」ことに言及しよう。
