士業の先生とセミナーを共催する際、不動産会社が注意すべき点を解説。

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。


チラシや一括査定サイト以外の不動産仕入れについて集中的に学びましょう。今回はセミナーで、よくあるコラボについて分析します。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

みなさん、こんにちは。

株式会社レコの梶本幸治です。

不動産仕入れ手法の一つとして、多くの不動産会社が実施している「士業の先生とのコラボセミナー」ですが、あなたの会社でも実施されていますか?

税理士や公認会計士とコラボする税金セミナー。

司法書士とコラボする相続登記セミナーや成年後見セミナー。

弁護士とコラボする法律セミナー。

FPとコラボするお金のセミナー。

基本的には士業の先生方が講師を務め、各々の専門分野について講演を行い、その個別相談の中から不動産売却案件を拾っていくといった手法が一般的だと思います。

しかし・・・

しかし・・・

このような士業とのコラボセミナーで不動産売却案件を拾えていますか?

全く案件化しないとまでは申しませんが、コラボセミナーは労力の割には成果の少ない施策だと思われませんか?何故、案件化しないのか、クライアント先での実例や、現役営業マン時代の私の経験を基に考えてみました。

【案件しない理由①】士業の先生の話がつまらない。

士業の先生に中には非常に話が面白くない方がいらっしゃいます。まるで大学で法律や税務の講義をしているような講演を行い、セミナー来場者を「個別相談」へ進ませられない先生が組んでしまうと、案件化させることは難しいでしょう。

まぁ、士業の先生からすれば、タレントでもないのに「話が面白くない」とか言われる筋合いはないのですが…。

【案件化しない理由②】士業の事務所職員に「商売っ気」が無さすぎる。

士業の先生方としてもお金につなげるためには、セミナー来場者を追客して個別相談に繋げなければなりません。経営者である各先生はその点を心得ておられる方が多いのですが、実際に追客電話をかけるのは各事務所の職員さんです。しかし、事務所職員さんの中には「商売っ気」の無い方が多く、全然追客してくれない事もしばしば。まるで江戸期の朱子学者のように、「商売は悪」とでも思っているような職員さんもいらっしゃり困ってしまいます。

【案件化しない理由③】士業の先生が持っている「リスト」が役に立たない。

我々不動産会社としては士業の先生とコラボする際、先生が持っておられる「リスト」に期待してしまいます。税理士さんや弁護士さんは資産家や地主、地元有力企業にツテがありそうな気がしますよね。

しかし、ふたを開けみると「たいしたツテが無い」、「細いツテはあるもののグリップ出来ていない」等、士業の先生が持っている「リスト」が期待外れに終わる事も・・・。

たまに、FPの先生は凄い人を連れて来てくれることもありますが、本当に「たまに」です。

士業の先生方とコラボセミナーを開催する際は、「先生におんぶに抱っこ」で乗っかろうとするのではなく、不動産会社側がイニシアチブを取り、先生方を良い意味で「使わせて頂く」くらいの心構えが無いといけません。

まぁ、上記のような

「先生の話が面白くない」

「先生のところの職員が追客しない」

「先生の持っているリストが期待外れだ」

等と言う文句は、士業側からすれば「知ったことでは無い話」です。

コラボセミナーは我々が主導権を握って開催する事を忘れないで下さいね。

POINT

・士業とのコラボセミナーは不動産会社再度でリードして進めよう!

 
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