【問24】不動産売り求むチラシ戦術に関する問題                
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第24回目の今回は、チラシ配布における戦術・構想を考えましょう。「とりあえずチラシを…」という考えない営業からは卒業しましょう。(リビンマガジンBiz編集部

画像=写真AC

【問24】不動産売買仲介会社が売り求むチラシを実施する際の、基本的な戦術・構想として誤っているものは次の内どれか。

1. 不動産の仕入れ活動は一括査定サイトが主戦場となりつつある。このような状況にあって、逆に売り求むチラシを充実させる事が出来れば多くの仕入れが期待出来る。その為にも、営業担当者には売り求むチラシのポスティングのノルマを課し、「暇さえあればチラシをポスティング」しているような体制を作るべきである。

2. 不動産売り求むチラシは「チラシを見てすぐ電話したくなる」ような、レスポンスの良いチラシ作成を心がけるべきである。従って自社ホームページへの誘導した上で、ホームページからの問い合わせへを狙うような導線を想定すべきではない。

3. 不動産売り求むチラシ実施の方法として優先すべきはポスティングだが、売却相談会開催チラシ等、チラシの内容によっては、まだまだ新聞折込広告を選択する余地はある。

4. 不動産一括査定サイトからの受託率は10%程度を目標とすべきであるが、不動産売り求むチラシからの受託率は30%以上を目指すべきである。


【正解肢】1

【解説】

1.(誤)不動産の仕入れ活動は一括査定サイトが主戦場となりつつあり、不動産売り求むチラシを実施している不動産会社は減少傾向にある。よって本肢前段の記述は正しい。

しかし、営業担当者自身が売り求むチラシのポスティングを実施する事に、筆者(梶本)は懐疑的である。不動産仕入れ営業ではやらなくてはならない活動が山のようあり、そのような中でバイトにでも出来るチラシのポスティングを、営業担当に課す事はナンセンスだと考える。

確かに、明けても暮れても営業担当者に売り求むチラシの配布を実施させ、短期間の間にそれなりの結果を残している不動産会社が存在する事も承知しているが、そのような会社では営業担当者の離職率も高い。従って、営業担当者による過剰な売り求むチラシの配布は、継続可能な仕入れ施策とは呼べないと考える。よって本肢の記述は誤りであり、本問の正解肢となる。

2.(正)そもそも、自社HPへのアクセスはオーガニック検索や、リスティング広告等、WEBマーケティングを駆使して獲得すべきであり、チラシで自社HPへのアクセスを増やそうとする施策はお勧め出来ない。このような「チラシ→HP」の問い合わせ導線を勧めるWEB制作会社も散見されるが、この手法で大成功した事例を筆者は寡聞にして知らない。

3.(正)本肢記述の通り。尚、筆者のコンサル事例によると売却相談会開催チラシを新聞折込の実施してた場合、概ね5000部で1件の反響(来場)を獲得出来ている。

4.(正)本肢記述の通り。不動産売り求むチラシからの受託率は30~45%程度を目指すべきであると考える。

【参考記事】

・不動産仕入れの為に、営業担当者は自らチラシ投函を行うべきか否か?(2020年09月09日公開) ・チラシ配りをいとわない営業は無能だ!|トップ営業に学ぶ不動産営業術(2018年08月22日公開) ・不動産売り求むチラシと自社HPの連動は必要か否か(2020年02月12日公開) ・不動産売り求むチラシ実施の方法は新聞折込?ポスティング?(2020年04月01日公開) ・売り求むチラシ作成法と配布エリアについて|具体的不動産営業活動(2018年10月24日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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