【問27】士業の先生と不動産売却セミナーを開催する方法に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第27回は、不動産査定売却に関するセミナーの開催について問います。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=Pixta

【問27】

不動産会社が士業(税理士・公認会計士・司法書士・弁護士・FP等)の先生と共同で不動産売却セミナー(相談会)を開催する際に、注意すべき事柄として誤っているものは次の内どれか?

1. 士業の先生の中には、話が全く面白くない方が一定数いらっしゃる。このように話の面白くない士業の先生と売却セミナーを開催すると、セミナー自体が盛り上がらず、肝心の不動産売却に関する相談が出てこない事がある為、注意する必要がある。

2. セミナー集客に関して不動産会社サイドとしては、士業の先生の顧客リスト(クライアントリスト)に期待しがちであるが、往々にして士業の先生方は集客力が無い傾向にある。集客に関しては不動産会社側もしっかりと取り組む必要がある。

3. セミナー終了後の参加者への電話追客を士業の先生方に依頼した場合、実際の追客電話は各事務所の職員が担う事になるが、職員の中には「商売っ気」の無い方が多く見受けられ、追客の手が緩みがちである。追客に関しても不動産会社サイドで積極的に実施すべきである。

4. 士業の先生に講演頂く内容は、不動産売却から遠い話題の方が「公平性」をアピール出来て良い。不動産売却に言及し過ぎると、せっかく士業に登壇頂いたのにも関わらず、衣の袖から鎧が見えるような印象を持たれる恐れがある。不動産売却への誘導は不動産会社が行えば良い。

【正解肢】4

【解説】

1.(正)士業の先生の話が面白くなさすぎると、セミナー来場者を「個別相談」へ進ませられない事になりかねない。日頃の付き合いの中で「この先生の話は面白くないな」や「この先生は話が長くて退屈だな」と感じるような士業の先生には、セミナーでの講演を依頼しない事をお勧めする。

2.(正)弁護士や税理士の先生が持っている(と、不動産会社が勝手に想像している)資産家や地主、地元有力企業のリストは魅力的である。そのリストに期待して士業の先生と共同で不動産売却セミナーし、散々な集客結果に終わったセミナーを何件も知っている。士業の先生方には基本的には集客力は無いと思っておいた方が良い。但し、ファイナンシャルプランナーの中には、驚くような集客力を持つ方もいらっしゃるので侮れない。

3.(正)事務所の経営者でもある士業の先生は、ある程度の「商売っ気」をお持ちであるが、その職員さんに「商売っ気」や「営業力」を期待してはいけない。そのような方にセミナー参加者への電話追客をお願いしても、全く追客してくれないケースがしばしば見受けられる。

4.(誤)登壇頂く士業の先生には「専門分野から不動産売却をお勧めする」という内容の講演を依頼すべきと考える。不動産売却に言及し過ぎる「肉食系の講演」に否定的な意見がある事も理解出来るが、せっかくセミナーを開催するのであれば遠回りは避け、ストレートな表現でセミナー参加者へ訴えかける事を筆者(梶本)はお勧めする。従って本肢の記述は誤りであり、本肢が本問の正解肢となる。

【参考記事】

士業の先生とセミナーを共催する際、不動産会社が注意すべき点を解説(2020年05月20日)

不動産売却相談会を開催する手順と準備|具体的不動産営業活動(2018年11月07日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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