【問29】不動産売却相談会のテーマに関する問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第29回は、セミナーのテーマについて考えましょう。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=Pixta

【問29】不動産会社が不動産売却相談会(セミナー)を開催する際、その取り上げるテーマとして相応しくないものは次の内どれか?

1. 「不動産高値売却相談会」と銘打ち、不動産を高値で売却する手法を伝える。

2. 「不動産即金買取見積もり会」と銘打ち、会場で買取価格の目線を伝える。

3. 「空き地空き家売却相談会」と銘打ち、会場で大まかな机上査定価格を伝える。

4. 「法律・税金と不動産売却相談会」と銘打ち、売却に伴う法律や税金問題の解決法を伝える。

正解はここをクリック

【正解肢】4

【解説】

1.(正)筆者(梶本)が最も推奨する不動産売却相談会(セミナー)のテーマである。「高値」といっても詐欺まがいの手法を提案する訳ではなく、販売に際してのテクニックや、そのエリアの特性を説明するだけでも参加者様には十分喜んで頂けると考える。本コラムで何度も繰り返し述べているが、売主様の最大の関心事は「高値成約」である。

2.(正)正式な買取金額の提示が物件調査の後になる事は当然だが、相談会会場でも「目線」を伝える事は可能である。又、その場で買取目線を伝える相談会は「ありそうでなかなか無い」サービスであり、関心を惹くことが出来ると考える。尚、競合他社買取の「たたき台」とされない為にも、相談会会場ではヒアリングを徹底する必要がある。

3.(正)不動産会社が開催する空地空家関連の相談会といえば「空地空家活用」が一般的だが、「活用」で集客し「売却」に誘導したいと考えるケースが多い。それならば最初からズバリ「空き地空き家売却相談会」を開催した方がシンプルで良いと考える。実際、筆者(梶本)のクライアント先で「空き地空き家売却相談会」を開催した時も、多くの方にご来場頂けている。

4.(誤)「法律・税金と不動産売却相談会」を開催した経験のある不動産会社は多い。今、このコラムの読者の殆どが、「法律・税金と不動産売却相談会」を開催した事があるのではないだろうか。では、ここで聞きたい。このような税金や法律の相談会で不動産売却案件を捻出する事は出来ただろうか?答えは「否」であると推察する。「法律・税金と不動産売却相談会」のように当たり障りのない相談会では多くの来場も見込めず、売却案件の捻出もままならない為、お勧め出来ない。従って本肢の記述は誤りであり、本肢は本問の正解肢となる。

【参考記事】

不動産売却相談会では、どのようなテーマを取り上げるべきか?(2020年06月24日公開)

不動産会社に税金や法律の相談をしたいか?|空地・空家DM反響増の秘訣(2018年06月06日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ