2018年08月30日
税理士 金井義家 ニュースの目利き

世界中のどこに住んでも、日本の「居住者」かどうかは客観的に判定される

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税理士 金井義家 ニュースの目利き


ちまたにあふれるニュースの中には、不動産ビジネスに役立つ「金のニュース」が存在する。不動産ビジネスに造詣の深い公認会計士・税理士の金井義家さんが解説します。(リビンMagaZine Biz編集部)




(画像=写真AC)



今回の「ニュースの目利き」は、平成29年1月23日の国税不服審判所の裁決事例を取り上げます。パーマネント・トラベラーの長い旅に終焉が近づいているのかもしれません。



「あなたはそこには住んでいません」


「お住まいはどちらですか?」

「東京都○○区××です」

「いえ、違います!あなたの住まいはそこではありません。あなたは△△に住んでいます!」」


という会話があったら、不思議ですね。


今回はそんなニュースを紹介します。


日常生活の中で、誰がどこに住むかは知ったことではありません。

でも税法上はあなたがどこに居住しているかはとても重要な話になります。


所得税法2条において「居住者」とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人」と定義されています。また所得税基本通達2-1に「住所」とは「各人の生活の本拠」をいい「生活の本拠」であるかどうかは「客観的事実によって判定」するとあります。


客観的事実が重要になりますので、覚えておいてください。



「私はインドネシアに住んでいます」「いえ、あなたは日本に住んでいます」で訴え


今回取り上げる平成29年1月23日の国税不服審判所の裁決事例では、請求人は一年のうちインドネシアに250日以上滞在していました。


しかし、課税庁は請求人が所得税法上の「(日本の)居住者」に当たるとして平成25年の所得税等の更正処分などを行いました。


「お住まいはどちらですか?」

「インドネシアです」

「いえ、違います!あなたの住まいはそこではありません。あなたは日本に住んでいます!」


ということが、おきたわけです。


当然、請求人はインドネシアを生活の本拠としていることから「(日本の)居住者」に当たらないとして、処分の取消しを求めました。



インドネシアに259日いても「(日本の)居住者」


では、請求人は実際にはどこに住んでいたのでしょうか。


資料によると、平成25年においては、日本に102日、インドネシアに259日、このほか他国に4日滞在していたようです。


確かに、インドネシアに最も長く住んでいるは間違いないようです。


しかし、審判所は「住所とは生活の本拠、全生活の中心を指し、その判定に当たっては客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かで決すべき」と指摘しました。


その上で、請求人について


•「インドネシアに滞在するために取得していたビザはいわゆるリタイアメントビザであったこと」

•「収入の大半を日本の証券会社とインターネットを利用した有価証券で得ていたこと」

•「日本に居宅を有していたこと」

•「生計を一にする妻が日本から出国していなかったこと」

•「インドネシアでの所在地が長期滞在型ホテルの一室であったこと」

•「国外資産をほとんど有していなかったこと」

•「肩書住所地を住所として国民健康保険に加入し、25年分の所得税等の申告書でも自己の住所を同所としていたこと」


以上を総合的に考察すれば、客観的に生活していたのは日本国内であると認定し、原処分は適法であると判断しました。


「あなたは日本に住んでいました」

と、国税不服審判所も認めたわけです。


上記に列挙した事実のうち、どれかが当てはまらなければ「日本に住んではいなかった」となるのでしょうか?


どうすれば「日本には住んでいなかった」と認められるのでしょうか?


そうした疑問にお答えするのはとても難しいです。


すべては税務当局の「客観的な判断」にかかっている、としかお答えできません。



>>2ページ目:世界中どこにいても税務当局は富裕層を見守る!?(続き)



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