2018年03月13日
小林悟の生産緑地プロフェッショナルへの道

第4歩 提案の幅が広がる!生産緑地のままできる活用方法の種類

小林悟の生産緑地プロフェッショナルへの道

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小林悟 生産緑地プロフェッショナルへの道


「2022年の生産緑地問題」は不動産業界にとどまらず、一般の報道でも少しずつ話題になっています。そこで、農地や生産緑地のコンサルティングをてがける、スマート・ホーム 小林悟代表に生産緑地の解説や事例を紹介していただきます。一歩ずつ生産緑地について理解することで、生産緑地のプロフェッショナルに近づきましょう。


第4歩目は、生産緑地ビジネスにおいて、生産緑地を解除しない場合でもできる活用法について、ケースごとに基本的な部分を解説します。(リビンMagaZine Biz編集部)




(画像=写真AC)


第1歩 生産緑地2022年問題とは何なのか?」でも解説しましたが、生産緑地は指定の日から30年間は宅地への転用・賃貸・建築・造成などをすることができません。しかし、例外的に生産緑地を解除しなくてもできる活用法があります。


※生産緑地や納税猶予の特例には厳格な規則があるため、生産緑地のまま活用してもメリットよりもデメリットが大きくなる場合があります。よく理解して生産緑地オーナーに最適な提案ができるようになりましょう。


生産緑地は、生産緑地法、農地法、税法等が複雑に関係しています。よって今回ご紹介する活用方法についても、所轄の行政機関等と事前によく相談してから実行してください。全体像さえ把握できていれば、細かい手続きは専門家に依頼すれば大丈夫です。生産緑地をビジネスに活かすために、特に関連性が高い行政書士や税理士と普段から関係を作っておきましょう。



生産緑地の活用前に確認すること


生産緑地の活用を検討する前に、「納税猶予の特例の適用」(以下、「特例の適用」)を受けているか必ず確認してください。「特例の適用」を受けている場合、活用できる範囲が極端に狭くなります。また、間違った活用方法だと相続税プラス利子税が課税されてしまい、納税額が数千万円以上となるケースもあるので十分に注意しましょう。「特例の適用」の有無を調べる方法は簡単です。登記事項証明書の乙区欄に大蔵省又は財務省の抵当権が設定されている生産緑地は「特例の適用」を受けています。


※納税猶予特例については「生産緑地の相続時に発生するかもしれない、莫大な税金とは!?」で簡単に説明していますが、次回以降のコラムで詳しく説明します。


生産緑地オーナーのタイプによっても活用方法は異なります。よくあるケースに分類すると以下の3タイプとなります。

■タイプA:

・生産緑地を継続して農地を次世代に残したい

・高齢や体調不良等の理由で農作業の手間を減らしたい

・収入を安定させたい

■タイプB:

・生産緑地を継続して農地を次世代に残したい

・農作業は苦にならない

・人との交流が好き

・投資をしてでも今より収入を向上させたい

■タイプC:

・身体的な原因で農作業ができない

・生産緑地を継続して農地を次世代に残したい人とそうでない人どちらもあり



生産緑地の活用事例


・「特例の適用」を受けていない生産緑地オーナーの場合(生産緑地オーナーの約4割が該当)


①民間企業等が運営する農園【おすすめするタイプ:A】

活用方法:

5年未満程度の期間、生産緑地を民間事業者等に貸付する。ただし一定の要件あり。

メリット:

・貸付部分は農作業不要となる

・安定収入が確保できる

・初期投資が少ない

デメリット:

・途中解約すると違約金が発生する


②農産物の直売所【おすすめするタイプ:B】

活用方法:

生産緑地の一部に農産物の直売所を設置。ただし一定の要件あり。

メリット:

・直売所建設費用を現金で支出すると相続税の節税対策あり

・収入が向上できるうえ新しい販路の確保も可能になり、地産地消にも貢献

・たくさんの人と交流でき、地域活性化や生きがいにもつながる

デメリット:

・初期投資が必要

・本人が運営する必要があり、農作業以外の手間が増える

・施設の敷地は宅地に転用しなければならないため固定資産税が増額になる




直販所(画像=写真AC)


③農家レストラン【おすすめするタイプ:B】

活用方法:

生産緑地の一部に収穫した農産物を食材として使用するレストランを設置。ただし一定の要件あり。

メリット:

・農産物の直売所と同じだが、更に収入が増える可能性もある

デメリット:

・農産物の直売所と同じだが、初期投資が更に高額になる

・レストラン経営のセンスがないと収入がマイナスになる可能性もある


※①~③の活用方法は、「特例の適用」を受けている場合、一部又は全部の適用が打ち切られ、相続税+利子税の一部又は全部の一括納税が必要となりますので提案しないように注意しましょう。



・「特例の適用」を受けている生産緑地オーナーの場合(生産緑地オーナーの約6割が該当)

※納税猶予の特例が打切りにならないように所轄の機関(特に税務署)には事前相談が必要


④営農困難時貸付【おすすめするオーナーのタイプ:Cタイプ】

活用方法:

生産緑地オーナーが身体障害者手帳等の交付を受けていれば生産緑地を貸付できる。ただし一定の要件あり

メリット:

・生産緑地を次世代に残せる

・「特例の適用」が継続可能。ただし一定の要件あり

・農作業不要となる

・多少収入が得られる

デメリット:

・農地を継続して借りてくれる相手がいないと「特例の適用」が打切りになる 


⑤自分が運営するレクリエーション農園【おすすめするタイプ:B】

活用方法:

小さく区画した農地を複数の一般の人に貸付し、借主は入園料を支払う。収穫物は借主に販売する。貸付期間は1年以内程度の短期とする。本人が借主に農業指導を行う必要がある。ただし一定の要件あり。

メリット:

・生産緑地を次世代に残せる

・「特例の適用」が継続可能。ただし一定の要件あり

・たくさんの人と交流でき、地域活性化や生きがいにもつながる

・収入が向上する場合あり

・ノウハウの提供や運営の一部を民間事業者に委託できる場合あり

デメリット:

・初期投資が必要

・本人が運営する必要があり、農作業以外の手間が増える

・経験がない人に農作業を教えなければいけないので、人と関わるのが苦手な人にはおすす

めできない



生産緑地活用法に必要な意識


押さえておくポイントは、生産緑地のまま活用すると農作業の手間を減らせるメリットはあるものの、土地を最大限活用できないため、収入を大きく向上させることが難しいということです。


特に「特例の適用」を受けている生産緑地は活用の選択肢が少ないです。しかし、平成30年度の税制改正により、貸付対象の範囲が広がる予定です。単純に収入の向上だけを目指す場合には、「特例の適用」を受けていない生産緑地の解除を検討してみましょう。宅地化してから活用する方がより大きな収益を得ることができます。


生産緑地のプロフェッショナルを目指す皆さんの役割は、生産緑地オーナーの良き相談相手なることで信頼関係を構築し、生産緑地を含むその他の資産を含めた相談窓口になることです。そうすればビジネスチャンスが拡がります。


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