6月25日は「アンネの日記」が出版された日だ。

2014年に公開されて世界的にヒットした青春映画「きっと、星のせいじゃない。」では、主人公ヘイゼルは10代の若さで、甲状腺ガンと肺ガンに苦しんでいる。

彼女はガン患者支援団体で出会ったボーイフレンドから紹介された小説を読み、唐突な結末に憤慨する。どうしても納得できない彼女は、作者に会うためにオランダ・アムステルダムを訪れる。チャリティー団体に支援してもらったのだ。すでに世捨て人のようになってしまった作者との対面は散々なものだったが、支援者の提案でアンネ・フランクの家に足を踏み入れる。アンネの家は階段が多く、まさに隠れ家といった様相だった。肺ガン患者にとっては厳しいものだったが、彼女は懸命に歩いていく。どんな状況でも希望を失わない彼女の姿は、まさにアンネ・フランクのようであった。

世界的に知られる「アンネの日記」は1947年の今日、オランダで出版された。作者のアンネ・フランクはユダヤ系のドイツ人で、ナチスの迫害から逃れるためアムステルダムに身を寄せていた。死後にその手記を父・オットーがまとめた。


  • アンネ・フランク (画像=GAHAGより)


アンネ・フランクの日記がしたためられた家は、オットーの会社が所有する建物。本棚の後ろに隠し扉があり、居室部分がある。アンネはこの形状を「後ろの家」と作中で表現している。作家志望だったアンネはいずれこの日記を出版するつもりだったといい、読者を意識した表現や構成が多くみられる。ナチス占領下で書かれた手記は多数あるが、「アンネの日記」が、戦争資料という枠を超え多くの人に読まれている所以の一つかもしれない。

松本人志もその一人で、「アンネの日記」の愛読者であると語っている。海外旅行嫌いを公言する彼だが、かつてアンネの家を訪れたことがあり、どこかで隠れ家生活を楽しんでいたのではないかという趣旨の感想を述べている。

実際にアンネは明るく社交的で、前向きな性格だったとされる。

日記には人に対する信頼や、世の中への希望が何度も出てくる。彼女に訪れた悲しい結末を知っていてもなお、彼女の善の心は、今も多くの人の心を打ち続けている。

敬称略

 
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