7月26日は「幽霊の日」である。
1825年のこの日に、4代目鶴屋南北作の『東海道四谷怪談』が中村座にて初演されたことに因んでいる。
『東海道四谷怪談』は「お岩さん」として有名である。
容姿に難があるお岩が、旦那の伊右衛門に毒を盛られ殺される。
お岩の未練が祟りとなって毎夜毎夜、伊右衛門に襲い掛かるという内容である。
番町皿屋敷、牡丹燈籠と合わせて「日本三大怪談」と称される。
四谷・陽運寺にある、お岩さんの井戸 (画像=フォトライブラリー)
日本人は怪奇現象や妖怪などの話が古典文学にも収録されているように、古くから怪談話を好む。
夏になると肝試しに行ったり、テレビでも心霊番組が多く制作されたりする。
怖いモノ見たさで、ついつい見てしまうのは人間の本能なのだろうか。
自ら進んで心霊スポットに行く酔狂な人間もいるが、そんな人でも自分の家で怪奇現象が起こるのは嫌だろう。
自宅で不思議な現象が起き、調べてみると以前、その部屋で人が亡くなった、事故物件だった。なんという話しは、誰もが一度は耳にしたことがある。
不動産会社は、人が亡くなった事故物件については、心理的瑕疵として、契約者に告知すべきものの一つとして認識されている。
しかし、よく考えれば実際に幽霊なんてものはいない。
それでも相場では1割から2割くらい、時には半額で募集しないと入居者が集まらないこともある。
人間の社会は理屈では割り切れないものを抱えつつ、動いているということだ。