8月30日は「米ソ間のホットラインが開通した日」である。

1963年の本日、アメリカ(ホワイトハウス)とソ連(クレムリン)との間に設けられた直接回線の「ホットライン」が開通した。

1962年、ソ連がキューバにミサイル基地を建設したとの情報が明らかになり、アメリカがカリブ海を海上封鎖し、核戦争寸前にまで達した、いわゆるキューバ危機が起こった後の話だ。

このキューバ危機を回避するために、ソ連側が文書をアメリカに送ったが、大使から本国に届いてから、翻訳や暗号化解読といった様々なプロセスを要し、実際に内容が分かるまで12時間以上掛かったという。

これだけ長時間掛かってしまうと、1分1秒争う事態になると対処できないと、両首脳が直接対話する通信手段の必要性を感じたため、ホワイトハウスとクレムリン間に直接回線を設けたという。

ホットラインは通称・赤電話と呼ばれ、アメリカ映画でも、たびたび登場する。


赤電話 (画像=Photos For Class)

このホットラインを繋いだホワイトハウスだが、世界一有名な家といっても過言ではないだろう。

1792年の初代大統領・ジョージ・ワシントンの時に建設が始まり、二代大統領ジョン・アダムス時代に住むようになった。

ホワイトハウスは4階建てになっており、1階は一般公開されている。

大統領一家は2階と3階に居住しており、そこには、132の部屋と16の寝室、35のバスルームがある。居住スペースは、約1900平方メートルで約574坪もある。

ボウリング場から映画館、庭にはテニスコートまであるというからその規模には驚かされる。


世界一有名な家 (画像=写真AC)

ここまで、広いと引っ越しが大変だという。

ホワイトハウスへの引っ越しは、就任式の後、新旧大統領のお茶会が終わった後に行われる。

安全上の理由から外部スタッフは雇えないので、全てホワイトハウスの職員で作業を行う。

前大統領の荷物の搬出から新大統領の荷物搬入をする。荷量は莫大な数になるという。

全世界の人が知っている家だからこそ、それ相当の威厳と品位を保たなければいけないのだろうか。

現アメリカ大統領であるトランプ氏の子どもたちは、「たくさんの人に見られていてイヤだ」と不満を漏らしているという。子供からしてみれば、家にいても落ち着けないことは、大変な苦行だろう。

世界一有名な家が、世界一住みやすいとは限らないようだ。

 
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