9月3日は建築家「ルイス・サリヴァンの生まれた日」だ。


ルイス・サリヴァン (画像=Photos For Class)

アメリカ建築の三大巨匠と呼ばれるルイス・サリヴァンは1856年の本日、生まれた。

ボストンで生を受けたサリヴァン少年は、ある男が馬車に乗り込む姿に魅せられた。その男が建築家だったことから、建築家を志すようになった、と自伝で語っている。

その後、マサチューセッツ工科大学に入学したが、中退し、建築事務所に入る。

1893年には、シカゴで行われた万博の設計も行うなど、世界的に有名になっていく。

サリヴァンが設計した著名な建物は「ベイヤード=コンディクト・ビル」や「ギャランティ・ビル」などがある。

サリヴァンは、アメリカ・シカゴで生じた建築傾向である「シカゴ派」の中心人物であった。

シカゴ派とは、主に柱と梁で支え鉄骨造の高層建築物を建てる工法をいう。

1890年代のアメリカは高度経済成長期で、より大きな建築物が求められたことに起因する工法だ。

ここから、装飾にはこだわらず、機能を求める「機能主義」の時代になっていく。


ルイス・サリヴァンが設計したギャランティ・ビル (画像=Photos For Class)

サリヴァンが残した有名な言葉がある。「形態は機能に従う」という言葉だ。

これは、建物はその建物の目的に基づいて設計されるべきであるという、原理である。

現代の建物の多くは機能主義に従って建設されている。

また、機能性を求めれば、おのずと美しいデザインになっていく、という意味もある。

この考えは、建物以外にも通用するものだ。

例えば、新幹線の前部が細長くなっているのは、スピードを出すため、空気抵抗を最小限に抑えているからだ。

また、スポーツに関しても当てはまる。

野球でホームランを打つために、研究したバッティングフォームは誰から見ても美しいスイングになっているはずだ。

文章も同じで、読み手に内容を伝えることを第一に考えれば、読みやすく、美しい文章になっていく。

機能性を求めるか、デザインを求めるか、相反する2つのテーマだが、サリヴァンの言葉はこの命題の真理なのかもしれない。

敬称略

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ