(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)

銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門、副都心線、半蔵門線、南北東西、南北線。これらは「東京メトロ(東京地下鉄株式会社)」が運営する地下鉄路線だ。この9つの路線のうち、埼玉県の和光市駅から東京都の渋谷駅を結ぶ「副都心線」全線が2008年6月14日に開通した。

副都心線の「副都心」とは、約50年前、首都圏整備計画の際に生まれた言葉だ。そこで「池袋」「新宿」「渋谷」の3つのエリアが副都心として位置付けられた。ちなみに「都心」とは、千代田区、港区、中央区にある政府機関や企業の本社などが集中するエリアのことである。

この「池袋」「新宿」「渋谷」の3大副都心を横断する路線の計画は1970年代からあったものの、小竹向原—池袋間の先行建設となり、池袋—渋谷間の建設許可はなかなか下りなかったという。しかし長引く不況が続いたことにより、平成に入り不況が長く続き、地域経済の活性化と雇用の拡大を目的に2001年から池袋—渋谷間の建設が始まった。

こうして7年の工事期間を経て、和光市—地下鉄成増—地下鉄赤塚—平和台—氷川台—小竹向原—千川—要町—池袋—雑司が谷—西早稲田—東新宿—新宿三丁目—北参道—明治神宮前—渋谷の、16の停車駅を結ぶ副都心線が全線開通した。東京メトロとしては初の急行と通勤急行が走る路線となった。

開通してから5年間、期待とは裏腹に副都心線の乗車効率はメトロ全線の平均を下回り、経済効果も思わしくなかった。しかし、2013年3月に東急(東京急行電鉄)東横線と副都心線の相互直通運転が始まったことにより、新宿三丁目駅の乗降客数が前年より63%増え、新宿三丁目にある百貨店の売り上げが増すなどして、ようやく大きな経済効果を生み出すことができるようになった。

新路線ができると地価はどう変わるのか

このように、新路線の建設と相互直通運転による経済効果は計り知れない。それでは、新駅の開業や路線乗り入れなどによって、不動産の価値はどのように変動するのか。その地価の上昇が顕著に現れる条件は、ただ交通の利便性が増すことだけではない。都心やハブ駅へのアクセスがしやすくなり、再開発により駅周辺の商業施設が増え、生活の利便性が増す土地なのだ。このように、新路線開通の際は、地域がブランドとなり人々のニーズが増える土地かどうか、発展性も考慮に入れたいところだ。

ちなみに首都圏では横浜シーサイドライン(京急金沢八景駅と相互乗り入れ開始)や相鉄・JR直通線(新宿方面への乗り入れ)などが建設中だ。

また中央リニア新幹線も不動産業界で働く人は忘れてはいけないトピックといえよう。

 
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