(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)

1024年、イタリアの修道士であり音楽教師でもあるグイード・ダレッツォは、暗記に苦労する聖歌隊を見て、楽曲を記録する方法として楽譜を考案したと言われている。

6月24日はクリスマスのちょうど半年前であり、聖ヨハネの誕生日でもある。そのヨハネの日に各小節の音階が1音ずつ上がっていく「ヨハネ賛歌」が歌われていたが、グイード・ダレッツォがこのときに音階に名前をつけて音を覚えやすくしたのが音符の始まりなのだとか。

そして、この賛美歌のそれぞれの歌詞の頭文字を取って「Ut Re Mi Fa Sol La」とした。Utが発音しにくいため、17世紀頃に「主=イエス・キリスト」を表す「Dominus」の「Do」に変更され、「ドレミの歌」と言われるようにもなったが、これは私たちが知っている「ドレミの歌」ではない。

日本で広く知られている「ドレミの歌」は、イギリスでミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌として作られたものだ。日本語で歌われているものとは歌詞は異なるが同じメロディだ。「聖ヨハネ賛歌」と同じように、各小節の音階が1音ずつ上がっていき、自然と音階を覚えられるようになっている。

イタリアの人々の「家へのこだわり」とは?

ところで「ドレミ」が作られた国であるイタリアの人々は、陽気で人懐っこいというイメージを持っている人も多いだろう。そんなイタリアの人たちの「家へのこだわり」はどのようなものなのだろうか。

イタリアのカフェでは、日本で主流な一人で読書をしたり仕事をしたりするような形態はあまり好まれない。カフェやバルでは友人や知人と賑やかに過ごすことが好まれているのだという。流行や効率の良さよりも、自分たちの生活に根付いている文化や習慣を大切にするという人が多い。

イタリアの住環境はわいわいガヤガヤ

家に対しても同じことがいえる。イタリアではまず、家も社交の場となれることが重要。玄関にしてもただ荷物を受け取ったり出入りしたりする場所ではないのだ。玄関先や家の前、庭などでも心地よく過ごせるようにテーブルセットやベンチなどが置かれるなど社交の場となるよう、工夫されている家が多いという。また、高価でも大切に長く使えるような家具やインテリア小物などを好んで置く傾向があるそうだ。

いつでも人を招き入れることができるよう、意識して整えられているのだという。いわば、家は人とのコミュニケーションツールのひとつ、という感覚なのかもしれない。

このような価値観が独自のイタリア文化を生み、継承し続ける原動力となっているのかもしれない。

 
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