(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)

7月10日の「納豆の日」は、「7 10(なっ とう)」の語呂合わせから生まれた記念日だ。

今となっては日本全国で食べられるようになった納豆だが、そもそも保存食として納豆を作る文化がなかった関西では、納豆の消費量は非常に少なかった。そこで、関西地方における納豆消費拡大のため、1981年に関西納豆工業協同組合が記念日を定めたことからはじまった。さらに、1992年には全国納豆工業協同組合連合会がふたたび設定し、全国的な記念日となったのだ。

「納豆といえば水戸納豆」というイメージがある通り、小粒の大豆の生産が多い茨城県水戸市は納豆の製造も盛んだ。ならば納豆の消費量も不動の全国1位かと思いきやそうでもなく、実は毎年熾烈な納豆消費量争いが繰り広げられている。総務省が発表した家計調査によると、2017年の1世帯あたりの納豆購入額全国1位は福島市で、水戸市は3位。過去3年の水戸市の順位を見てみても、2016年は1位、2015年は5位、2014年は2位と、他都市との首位の奪い合いが続いていることがわかる。

いまでは食卓に欠かせなくなった納豆だが、その発祥時期は定かではない。しかし、歴史が古いことは間違いなさそうで、弥生時代からあったとも言われている。また、諸説のひとつに平安時代の後期、後三年の合戦の際に秋田で発祥したという説もある。他にも、聖徳太子が余った煮豆を藁に包んでおいたら発酵しており、食べたらおいしく、人々に広めるようになったという説もあるそうだ。今ではパック売りが主流になっている納豆も、昔は藁に入れて売られていたように、納豆の誕生において、煮豆と藁の関係ははずせないようだ。

納豆の産地・茨城県と発祥の地・秋田県の土地価格を比較

茨城と秋田は、納豆の生産、消費ともに盛んで、納豆文化を発展させてきた地域だ。茨城県には「おかめ納豆」で有名なタカノフーズや「中粒納豆本家」のあづま食品などのメーカー工場、秋田県には日本一高い納豆で知られる「二代目 福次郎」のふく屋や、「おはよう納豆」のヤマダフーズの工場がある。

これらの納豆メーカーがある2県を、土地の価格で比較してみると、2017年は茨城県が全国36位でひと坪当たり約119,000円となっている。一方で、秋田県は全国最下位のひと坪あたり約66,000円という価格で、全国的な納豆消費量の増加とは逆に、土地価格は減少傾向にあるようだ。

 
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