「リバースモーゲージ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。生前、「持ち家」を担保としてローンを借りることができます。ローンの返済中に死亡した場合、担保としていた持ち家を金融機関は受け取り、ローン債務を消滅させるものです。リバースモーゲージは、利用者にとって2つのメリットが存在します。


1、「老後資金」を作ることができる


住宅は所有しているが現預金がない。このままでは老後資金の確保も心配だ。リバースモーゲージは、このような世帯に現金を準備することができます。借入期間中は返済は発生しません。リバースモーゲージの利用者全員が亡くなった段階で、担保不動産の売却を持って一括返済とします。


たとえば老人ホームの入居一時金が必要な場合、所有している不動産によってまとまった資金を借り入れることができます。公的年金や老後資金用に貯蓄しておいたお金からの充当は必要ありません。現預金に手をいれず、所有不動産という「(売却によって)将来発生するお金」を持って一時金を支払うことができます。もちろん不動産担保の設定には銀行の審査を必要とするほか、万が一不動産の評価額が足りなければ現金の充当をしなければなりませんが、亡くなったあとに発生するお金を持って生前の生活を充当させる画期的な手段といえます。




2、不動産売却とリバースモーゲージ


子どもたちに不動産を継がせるのも大変だから、自分たちの目が黒いうちに不動産を売却しよう。そもそも不動産を兄弟のひとりに継がせると、ほかの兄弟には現金を渡さなければならないが、そんな余裕はない。元気なときはこう思っていても、ある日突然体の調子が悪くなり、意思を残せず亡くなってしまうことも。その時に遺された家族たちは哀しみのなか、不動産処理を行わなければならない。これはとても負担感の強いもの。リバースモーゲージを設定しておくと、銀行が不動産売却の手続きを進めてくれるため、遺族はしっかりと故人を送り出すことができます。


今後の日本は、相続において実家の貰い手が減り、空き家が急増するといわれています。人が住んでいない空き家も固定資産税や都市計画税がかかるため、相続後は早急に手を打たなければいけないもの。


子どもの右往左往に心配しないためにも、親は生前にリバースモーゲージの持つ可能性を調査し、検討しておくことをお勧めします。リバースもゲージを使って、遺された家族へのプレゼントを整備したいものですね。

 
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