喫緊ではないけれど、いずれ「相続」が必要になる。そのときには今住んでいる家も相続の対象になるが、いまはまだ自分も住んでいるし、当面の対策は必要ないと思う。この段階の「実家」は日本全国に、とても多くなっていることでしょう。ただ、子世代のいずれも承継をしないとなると、実家はいずれ「売却」をしなければなりません。面倒だとそのままでいると、固定資産税や都市計画税といった税金もかかりますし、何よりも今後国や地方自治体は「空き家問題の解決」に向けて本腰を入れます


そうはいっても子どもたちの居住地から遠い「遠くの実家」を、不動産売却に備えるにはどうすればいいのでしょうか。いくつかのポイントを考えてみましょう。


1、定期的に「評価額」を確認しておく


将来的に不動産を売却するとして、何よりも気になるのは「売買価格」です。この不動産はどれくらいの価格で売れるのか。不動産も数ある商品と同じく、売り手と買い手の同意した(契約した)金額で売買がされます。ただ、その価格設定は固定資産税や相続税を算出するときの「評価額」が参考にされるため、常に最新の評価額を把握しておくことをお勧めします。


「そうはいっても評価額なんてどうやって…」という方は、お近くの不動産会社に「すぐにではないが、将来的に売却を検討している」と問い合わせてみることにしましょう。不動産会社はリアルタイムの価格を抑えていることも多く、売却のタイミングからおおよその想定額まで相談にのってくれます。




2、「もしもの場合」、どのような手順を踏むのか確認しておく


もうひとつのポイントは、いざ「相続」が発生したときにどう動くのか、を想定しておくことです。親の居住地と子どもの家が離れているとき、お正月やお盆が相続について話をするいいきっかけになりますが、なかなか年末年始などの祝いの席で相続について、または贈与などについて話をするのは引けるもの。ただ、親も子供も「相続がとても大切なもので、いつかは考えなければならない」ということは十分に理解しています。そこで「もしもの場合」に、どのような手順を踏むのか確認しておくようにしましょう。新築した建物ならば証明書(建築済証)はどこにあるのか。そのほかの書類はどこに保管しているのか。借入金の残額はいくらか。特にこの借入金も「相続資産」となる一方、仮にこの相続資産を受け継がない(放棄する)場合は(相続があることを知ったときから)3カ月以内に対応を決めなければいけないという定めもあります。

「もしもの場合」に備えて。手続きをシミュレーションしておくことが大切です。

 
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