1980年から2000年生まれの「ミレニアル世代」は、それまでの購買嗜好や価値観が変わるといわれています。実際にミレニアル世代の女性にアンケートをとると、「マイホームを建てない」という選択が顕在化してきます。


1、ミレニアル世代の「マイホームを建てない」という傾向


ある調査にて20代~40代の未婚女性に「結婚後、マイホームを購入したいですか?」と聞いたところ、Yesと回答したのは8割以上にのぼりました。一方でマイホーム購入を希望した女性の3割以上が相手に年収500万円以上を期待しており、現代のマイホームは年収次第ということが伺えます。


国税庁の調査によると、日本国内で給与所得を得て生活している方の「平均年収」はおよそ420万円〔1〕。これでは余裕を持ったマイホーム計画は望むことができません。加えて、経済的事情だけではなく、マイホーム購入は数十年後の「出口戦略」も深く関わっているといわれています。


〔1〕国税庁 平成27年民間給与実態統計調査https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2015.htm#a-01




2、「マイホームを建てない」傾向は不動産価格に深く関わっている


この「マイホームを建てない」という判断の背景には、持ち家という不動産が有する資産価値が深く関わっているといわれています。数十年前、高度経済成長期に購入した持ち家は、年次を経ても不動産価値としての評価は下がらず、むしろ「あがって」いきました。一方で今はどうでしょうか。


居住用不動産物件、いわゆるマイホームを購入すると、とたんに資産的価値が何割か下がるといわれています。全国的に不動産価格の上昇が続く喫緊はこの傾向は治まってきているものの、数十年前とは明らかに異なる価値観が大切。ミレニアル世代はその新傾向をまさに表しているといえるのではないでしょうか。不動産会社サイドはこの傾向をしっかり分析し、営業戦略を組み立てることが必要です。

今回のアンケートから見えるような新傾向を参考にできずに「家が売れない」と駅前で居住用物件の広告を出したり(よく朝から駅前に立っている方いらっしゃいますね)、様々なキャンペーンを仕掛けたりしていますが、率直なところ労力に効果が見合ってないのではないか?と思うこともしばしば。時代の流れを分析して、販売戦略に反映させることが大切ですね。

 
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