「不動産×IT」を意味するRetech(リーテック)。本場アメリカより数年遅れてはいますが、日本でも少しずつ不動産関連のスタートアップ企業が生まれるなど、熱が入ってきたような印象を受けます。スタートアップ自身や投資家(VCなど)が主催するイベントも増えてきました。


現在のところRetechに取り組む企業の多くはこれまでに不動産業界で実績を積んできた企業がほとんどです。これらの企業がRetechを展開することで今後、顧客(consumer)にとっても様々なメリットが生まれてくるとされています。


1、Retechによって不動産売買価格が下がる


そのなかで顧客にとって最も恩恵の大きいものとされているのが、「不動産売買価格の引き下げ」です。現在は不動産市況と近隣の相場値から算出されているRetechによって不動産価格ですが、今後時間をかけて売買価格が下がっていくといわれています。主な理由は2つ。


(1)契約コストが低い


不動産売買は買主が「購入を決めて」から様々な手続き、いわゆる契約コストが多いといわれています。


売主と買主の引き合わせ

重要事項説明(宅建業者の独占業務)

不動産売買契約書

地盤調査や買入ローンの申請など各種手続き

物件の引き渡し


これら契約コストにはそれぞれ膨大な書類と、同時に必要となる「人的リソース」があります。RetechはTechnologyの力を使うことで膨大な書類部分、そして介在する人的リソースの部分を軽減化することができます。不動産売買の場合、これらは買主が支払う購入価格に上積みされる部分となっているため、Retechをもって不動産売買価格が下がるという構図です。




2、日本独自のモデルケースのため、どの会社が「最初」となるか


アメリカやヨーロッパでも不動産の売買はありますが、重要説明など日本独自の制度もあります。〇〇×techのひとつの形はTechnologyが先行しているそれらの国から日本が「輸入」をする形ですが、この不動産のケースは少し異なります。日本独自のモデルケースのため、どの会社が「最初に」顧客に支持されたオペレーションを作るか、とうところでしょう。


いずれにしても、既にTechnologyの力が浸透しているところに、大掛かりな変革は起きません。これまでTechnologyとは無縁なところに起きた「Retech」だからこそ、今後の大変革に注目していきたいものですね。

 
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