平成29年1月に地震保険の保険料が改正されました。2011年に発生した東日本大震災と、震災以前の10数年で発生した地震の発生地や発生頻度を受けて各地の保険料を見直した点が目立ちます。




1、各地の主な地震保険料


地震保険は、都道府県ごとに設定されています。過去十数年を見て保険料を設定していますが、ここ数年間は大きな地震の発生した印象が強いことと、これまで「地震の発生確率が高くはなかった」地域が大きな地震に見舞われていることから、全体的に上昇基調となっているところが多くなっています

<主な都道府県の保険料一覧>


都道府県

耐火構造

非耐火構造

北海道

-3.6%

-7.3%

宮城県

+13.1%

+11.5%

東京都

+11.4%

+11.3%

静岡県

+11.4%

+11.3%

兵庫県

-3.6%

-7.3%

福岡県

+4.6%

+7.5%

熊本県

+4.6%

+7.5%


参考:損保ジャパン日本興亜 http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/habitation/earthquake/announce/


2、地震保険料に見る「家を売るタイミング」


ここからは地震保険料の保険料上昇と不動産売却のタイミングについて。保険料が上昇しても、即座に住宅売却への(悪い意味での)影響が鑑られ、売却値が下がることは考えられないと思います。


ただ、長期的に見ると地震保険料の(相対的な)高さが、売買時の価格に影響を及ぼす可能性は否定できません。これは居住用だけではなく、たとえば居住用として20年後に売却益を「見込んでいる」場合も対象となり、「タイミングが悪い」ということは言えます。もちろん地震保険料が上がる以外に、不動産売却値を上下する要因が「ほかに」ないとは言えませんが、考慮のひとつとして見込んでおくとよいでしょう。


また、地震保険料は定期的に更新されます。今回は上昇した保険料も、今後は下がっていく可能性、その一方で更に今後の保険料が上昇する可能性があります。たとえば九州の熊本や大分などは2016年に大きな地震に見舞われましたが、今回の保険料策定においてこの地震は考慮されてはおりません。今後の再改定において更に地震保険料が上がる可能性があるため、東日本大震災以降に大きな地震に見舞われた地域の方は家を売るタイミングを早めに設定することもひとつの方法です。現在の動きと、今後の動きを合わせて、包括的に対策を進めていくのが大切なポイントといえます。

 
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