2017年05月17日
工藤 崇

日本郵政が野村不動産を買収?マンション「プラウド」の価格はどうなる?

工藤 崇

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今月12日、一報が流れた日本郵政による野村不動産買収に向けた報道は、不動産・金融業界に大きな衝撃を与えた。しかし、衝撃を受けたのは業界だけではない。一般の人でも気になるのが、野村不動産が展開している高級マンションブランド「プラウドシリーズ」だ。野村不動産が日本郵政に買収されてしまうと、プラウドシリーズの価格に影響はあるのだろうか。株式会社FP-MYS 工藤崇代表に、買収に至る背景などを踏まえて予想してもらった。(スマイスターMagaZine編集部)





買収によってどのような影響が予測されるか。

野村不動産の時価総額は約3,890億円(5月12日現在)です。不動産会社のなかではトップ10に入る大企業です。当然様々なノウハウ、ブランディング戦略、優秀な人材が揃っています。一方の日本郵政は不動産事業会社を所有しておらず、トップレベルの不動産デベロッパーである野村不動産に魅力を感じたのでは、という見方がインターネットなどで拡がっています。

郵政は郵便局建設地や所有地をはじめ、活用可能性の高い不動産を多く有しています。近年では、東京丸の内や名古屋にて旧郵便局敷地の再開発を行い、商業施設開業として注目された実績も目立っています。
日本全国には、駅に近く敷地面積も広い大型の郵便局が数多くあります。しかもその多くが築年数を重ねています。街を歩いている際や郵便局を利用したとき、一等地に郵便局があると気づいた人も多いでしょう。例えばこういった物件を再開発し、高層マンションを建てれば高い需要が見込めます。また低層部分を郵便局として活用すれば、より利便性の高い住環境をつくることができます。
実際に再開発を行う際には質の高いノウハウと、ブランディングが欠かせません。日本郵政はこの目的のため、野村不動産との連携に向けて動いたのではないでしょうか。

近年ではJR九州が不動産を活用し財務を改善、不動産を多く持つ企業の成功例として注目されました。JR九州の時価総額4,000億円に対し、日本郵政は7兆9,200億円。比較しても規模感が著しく大きい日本郵政は、長年培ってきた野村不動産のノウハウやブランディングを得ることで、大きな勝負に打って出ることができるのではないでしょうか。

今回の報道は大きな話題を呼びました。日本郵政・野村不動産による正式な発表がない現段階から、インターネットでは「史上稀に見るビッグディール(売買)」と注目する声もあがっています。



(新宿郵便局 スマイスターMagaZine編集部撮影)


プラウドシリーズの価格に影響はあるか

ところで、消費者にとって野村不動産といえば分譲マンションのプラウドシリーズです。プラウドシリーズは「お客様が常に中心」のコンセプトのもと、用地買収から販売・管理まで一貫体制をとっていることが強みです。顧客からのニーズを様々な面でくみ取ることができます。日本郵政が野村不動産を買収することによって、プラウドシリーズを所有している人には、何か影響はあるのでしょうか。


今回の買収は「プラウドシリーズの事業買収」として報道されていません。報道によっては野村不動産全体の買収ではなく、日本郵政の不動産資産を活用するうえでの事業提携のような形になるという見解もあります。
どういったスケールの買収になるのかは、今後少しずつ明らかになっていくと考えられます。ただ、報じられたような会社対会社の大型買収の場合、具体的なシナジーが見えるごとにプラウドシリーズの値段の上がる可能性が高いと考えられます。日本郵政の野村不動産の両社が一緒になるというインパクトの強さは、それだけ強力なものだといえます。
不動産価格は期待値によっても変動するといわれています。その期待値が、プラウドシリーズに集中し、売買価格を押し上げる可能性は十分にあるのではないでしょうか。プラウドの購入を考えている人は、まず今回の報道の真偽と会社対会社の大型買収劇であるかを今後の報道で確認しましょう。対会社の買収であったならば、値段が上がる可能性は高いです。早めの購入をおすすめしたいと思います。


(野村不動産HD スマイスターMagaZine編集部撮影)



J-REITにも注目

プラウドシリーズの売買価格に限らず、注目されているのは「J-REIT」です。J-REITは不動産投資の一種で、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産に対して投資し、その賃貸収入や売買益を投資家に還元する「投資信託」の一種です。

分譲マンションを直接購入して資産運用を行うよりは、プロ(ファンド)の眼を通すためリスクが低くも、不動産の動きを基準のひとつとして価格(基準値)が動く資産運用の方法です。

野村不動産関連のREITは以前、オフィス分野、物流・商業施設分野、そして居住用住宅を含むレジデンシャル分野と3分野に分かれていたものの、2015年10月に合併し、現在は1種類のREITとして募集されています。プラウドシリーズの売買価格と並行して、このREITの動きにも注目してみましょう。



まとめ

買収報道が駆け巡った12日は金曜日。市場取引を終えた週末に向けての気分を現実に引き戻したビッグディールは、第一報から時間が経つにつれて報道の真偽を含め事実が次々と明らかになっていくことが予想されます。プラウドシリーズの価格まですぐに影響は見られるでしょうか。今回取り上げたREITの動きを含めた協奏曲に、注目していきましょう。


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