2017年03月28日
眞鍋淳也

遺言書が書けない緊急事態

眞鍋淳也

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 弊事務所にAさん夫婦が先日法律相談にやってきました。

 その内容について今日は書かせていただきたいと思います。

 Aさんによると、Aさんの息子さん(50歳)が、ガンで死亡しましたが、Aさん夫婦は現在、息子の購入したマンションに住んでおり、このマンションの登記名義は息子さんのままになっている状況のようでした。
 息子さんは20年前に結婚していましたが、10年前に離婚しており、前妻と息子さんの間には18歳になる娘がいるようです。

 前妻は、再婚し、娘と一緒に現在の夫と住んでいますが、その娘は息子さんの唯一の相続人でした。
 そこで、マンションの所有権は娘にあるとして、娘の法定代理人である前妻からAさん夫婦に対して明け渡し請求がなされたのでした。
 被相続人の子どもが相続人となる場合には、親には相続権がないため、Aさん夫婦は住んでいるマンションに権利がないのです。
 そして、マンションについて相続権を持つ被相続人の娘(自身の孫)から明け渡し請求をされている以上、Aさん夫婦はそこを去らざるを得ません。
 実は、このような状況になることを懸念して、息子は生前に、マンションをAさん夫婦に遺贈する旨を記した自筆証書遺言の作成を試みていました。
 しかし、すでに容体が深刻化していた段階だったために、途中まで綴るのが精一杯で、最後まで書き終えることができなかったのです(ワープロなどを用いれば完成できた可能性はありますが、自筆証書遺言はあくまでも「自筆」であることが求められています)。
 息子の病状が悪化する前、まだ十分な気力、体力が残っていたときに、Aさん夫婦が、それと なく遺言書の作成を促していればよかったのでしょうが、そのようなわが子の死を予期しているかの行為に出ることは、やはりためらわれたのでしょうか。
 ただ、一般論としていえば、不慮の事態が起こりうることを考えて、遺言書は用意できるときに用意しておくべきです。
 ことに、高齢者や重い病を抱えているような人は、「まだ大丈夫だろう」と思っていても、このケースが示すように、作成したくてもできなくなる状態にいつ陥るかわかりません。
 ちなみに、このケースの場合、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言であれば、被相続人が自ら筆を握れなくなっても問題がなかったはずです。公正証書遺言は、要望に応じて公証人が出張してくれます。
 被相続人のような重病患者であっても、病室に公証人を呼び寄せて、遺言書を作成させる ことができたでしょう。このように、自筆証書遺言が難しいときでも、公正証書遺言であれば作成が可能となりうることは、頭に入れておくとよいでしょう。

 もし、緊急的に遺言書を作成したい場合は弊事務所にご相談ください。状況に応じてすぐに最善の案で対応いたします。


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