みなさん、こんにちは!

今回の執筆担当は、経済系教員の芦谷です!

今回は、私が担当しているゼミ(不動産学研究)の活動を紹介したいと思います。

「不動産証券化」ゼミ

私が担当しているゼミ(不動産学研究)では、毎年10名くらいまでの3年生、4年生が集まって、「不動産証券化」について学んでいます。

内容は、「不動産証券化とは何か?」から始まります。これが、難しい。「不動産」、つまり、土地と建物は形があり具体的に目にすることができますが、「証券化」、つまり、仕組みは目にすることができません。具象と抽象を結びつける想像力が求められるのです。

しっかり理解してゆくために、1、2年生で学んだ不動産学の基礎的知識を総動員します。

経済学と金融の知識

証券化とは、オフィスビルや商業施設などの不動産が生み出す収益を分割して、多数の証券購入者(投資家)に分配してゆく仕組みです。投資家は少しでも有利な不動産に投資しますので、他の投資との比較や競争についても考える必要があります。このため、金融資本市場の動きと深く関係します。

そこで、私が専門とする経済学や金融の知識が必要となります。この部分を深く学修したいと考えて私のゼミを履修している学生が多いこともあり、経済学と金融の知識を随時、紹介してゆきます。

抽象的な概念の理解を通じて考える力を養う

不動産に投資する投資家が常に念頭におく、国債の利回りはいくらなのか?

ひと頃は、国債の利回りと不動産投資証券の利回りを比べるだけで、投資の是非を判断することができました。両者の利回りの差に相当する「プレミアム」が投資の指針となったのです。

しかし、世界的な金融危機(リーマンショック)を経て、市場の番人であり市場の向きを決める中央銀行の政策も大きく変化しています。日本においても、1年前から、「お金を借りた人が金利を受け取る」、マイナス金利の世界が出現しています。

ゼミで学ぶ、学問としての経済学や金融の知識は、単に知識ではなく考える力を養います。近い未来、私たちに馴染みのない世界が出現しても、対応できる考え方の「礎」を与えてくれるのです。

いろいろな不動産を具体的に体験して見る目を養う

不動産証券化は現実の土地や建物を通じて具現化しますので、意識のなかには常に、「不動産そのものと向き合うこと」を忘れないようにしています。

学生がゼミと同時に学んでいる建築、不動産鑑定、まちづくりなど、具体的で実務的な数々の授業は、ゼミの学修内容と補完関係があり、ゼミにも良い刺激を与えてくれています。

さらに、古今東西、いろいろの不動産を具体的に体験するよう努めています。不動産と向き合うために訪れた、首都近郊の箱根をはじめ、京都、浜松、福岡、門司、巌流島や長崎、広島、白川郷は、どこもすばらしい刺激を与えてくれました。

「百聞は一見に如かず」ということを、皆で実感しました。私のゼミの特徴として、証券化するという視点からその不動産や地域を見ることも忘れないようにしています。

不動産の世界に広がる不動産学士のネットワーク

不動産を具体的に体験する活動の一環として、UR都市機構の皆様に都内の密集市街地をガイドしていただいたこともあります。明海大学不動産学部のゼミ活動ということで、ご協力いただいたことに深く感謝する一方、不動産業界に不動産学を媒体とするネットワークが広がっていることを誇りに思います。

不動産学部を卒業して得られる学位は学士(不動産学)です。この学位は明海大学でしか得られませんが、不動産学部を卒業した不動産学士のネットワークが広まっています。

不動産学部の卒業生がつくる同窓会組織の緑風会の活動も厚みを増しています。学生も参加できる同窓会のイベントや、卒業生が授業を教えたりゼミで指導する、さらには、同窓ということがきっかけで就職につながるなどの交流が行われています。

ゼミの授業のよいところは、仲間と一緒に、絆を深く、大きくしてゆけることかもしれません。日本にただ一つしかない、不動産学部の絆です。ゼミの仲間としっかりとした人間関係を結ぶことが不動産の世界に広がるネットワークのゲートウェイであることを忘れずに、今年もしっかりとゼミを進めていきたいと考えています。

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最後までご覧下さり、誠にありがとうございました。
もしよろしければ、不動産学部のホームページもぜひご覧下さい!
 
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