不動産学部の宅間です。昨年度は在外研究でゼミ生がいなかったため、今年4月からゼミに所属している二人にゼミの紹介をお願いしました。まだゼミに所属して2ヶ月あまりでゼミの最終目標や面白いところまで達していませんが…。

不動産学研究(学部ゼミ)

こんにちは。明海大学不動産学部不動産学科3年の八並洸仁です。

今回は、現在取り組んでいる「不動産学研究(3年次宅間ゼミ)」についてご紹介いたします。土地の鑑定価格である地価公示データを用い、不動産市場で不思議に思った点や疑問に思った点についてExcel等を活用して解き明かしていきます。

今、私が興味を持っていることは、「価格が下落した住宅や土地はどんな工夫をしたら、価格を上げることが出来るのか?」ということです。この疑問点を考えるため、私は過去十年の一都三県の地価公示データを市町村別・用途地域別の平均地価データを使い、日本や世界で起きたイベントが一都三県の土地市場に与える影響の関係をみていきました。その中で大きく三つに注目しました。

一つ目は「東京オリンピックの招致」が決まった2013年、

二つ目は「リーマンショック」が起きた2008年、

三つ目は「東日本大震災」が起きた2011年、

です。三つの中で一番の驚きだったのは「リーマンショック」でした。「リーマンショック」では一都三県の全ての市区町村で地価が下がっていることに驚きました。「東日本大震災」の起きた2012年でも全ての地価が下がっているわけでもなく252市区町村のうち3つ、木更津市、君津市が0.1%、川崎市中原区が0.4%、地価が上昇していたのが不思議でした。また、「東京オリンピック」の招致決定では252市区町村141か所の住宅地で地価が上昇していて、逆に下落しているところも111か所あり、なぜこのような違いが生じるのか、興味を持ちました。

まだ授業が始まったばかりなので核心的なことは言えませんが、土地価格(地価公示)と世の中で起きるイベントの関係についてデータで確認すると、ミクロ経済学で学んだ市場変化の考え方で説明できて、ミクロ経済学で学んだ考え方が実際の市場に当てはめて考えることができるように思いました。

ゼミの残りでは、一都三県に同じように影響を与えそうなイベントが起きたとき、地価が上昇したり下落したりする市区町村にどのような違いがあるのか、「東日本大震災」の後に地価が上がった3か所がなぜ地価が上がったのか、またもう少し狭い範囲に影響を与えそうなイベントが地価に与える影響についても研究していきたいと思います。

特別演習Ⅰ(大学院ゼミ)

こんにちは。明海大学大学院不動産学研究科1年の張渓桐です。

今回は、私が所属している宅間文夫先生の大学院ゼミについて紹介させて頂きます。

宅間先生は都市・地域経済学を専門としており、統計データを用いて都市問題等を対象とした実証研究を中心に研究しています。

■講義の面白さ


宅間先生は、学部生に対して「計量経済学」と「土地と住宅の経済学」、院生に対して「計量経済学特論」を授業しています。

一般に、統計学や計量経済学について本を読む時、数学が苦手な学生たちは途中で勉強を放棄することがありますが、宅間先生の講義では、数学的な説明よりも、データを使った分析とその結果の活用方法を中心にしているので、そのようなことはないと思います。

「計量経済学」ではEXCELでデータの性質を分析したり、回帰分析という分析手法で複数のデータの間の関係(例えば、コンビニの売上とその面積・駅からの距離の関係など)を分析したりして、分析結果と直観的な考えをすぐに比べることができ、勉強の意欲が強くなます。

大学院の「計量経済学特論」ではSTATAというソフトを用いて、大量の地価公示データを用いて、地価がどのような要因によって説明できるかを分析しています。宅間先生は学生たちが理解できるように、簡単な言葉で具体例をゆっくりとしたペースで教え、また講義では学生たちの修論テーマに関連する実例を紹介しながら相互的交流して、全員がそれぞれの研究テーマに興味を持てて嬉しいです。

■ゼミの魅力

実用的な知識を身につけることだけではなく、様々な視点から物事を考えることと、データ(事実)に基づいた厳密な論証ができることが宅間ゼミの魅力です。

私は密集市街地とその問題を解消するための政策に興味を持っています。

ゼミでは、密集市街地の問題などの住宅土地問題をミクロ経済学的に検討し、例えば、何かの政策を実施することが住宅・土地市場にもたらす様々な影響を考えることができるようになります。

そのような議論を通して、いくつかの研究課題を見つけることができて、その中から自分が一番興味のある研究課題を選ぶことができますが、研究課題がたくさんありすぎて混乱してしまいます。

だけど、もしも研究課題を選ぶことで学生が混乱したら、宅間先生がきっと手助けしてくれます。議論によって、それぞれの研究課題で結果を出せそうかどうか、どうやって研究できるか等についてのアドバイスを得ることができると思います。

いずれにしても、宅間ゼミでは、学生が研究したい内容が新規性があるかどうかを確認し、そして経済学の考え方とデータに基づいた分析から根拠のある結論(例えば、何かの政策を実施すると効果があるかどうか)を導き出せると思います。

宅間ゼミでは、(研究に意欲を持っていれば)たくさんの基礎と専門的な経済学な知識を身につけられ、データを整理・分析する道具を利用して、データ(事実)に基づいて多様な研究課題を研究できると思います.これが我がゼミの特色だと思います。

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最後までご覧下さり、誠にありがとうございました。
もしよろしければ、不動産学部のホームページもぜひご覧下さい!
 
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