こんにちは!明海大学不動産学部の中村です。

大学では、「不動産取引演習」を担当しています。宅建試験合格に必要な知識の習得を目的とした講義です。

『大学で資格試験の勉強??』と思う方もいるかもしれませんが、不動産学を学ぶ準備として、宅建試験の勉強はとても有効なのです。

合格はスタートラインです

宅建試験は、宅建業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定するための試験です。宅建業法だけでなく民法、借地借家法、都市計画法、建築基準法からも出題されます。実務上重要な知識である税法、鑑定評価や融資(住宅支援機構)、統計、広告ルール(公正競争規約)、土地や建物の知識についての出題もあります。

不動産学を学ぶためにはこれらの知識が必要です。つまり宅建試験に合格できる力がなくては、不動産学は学べない。その意味で不動産学部生にとって宅建試験合格は、ゴールではなくスタートです。そのために遅くとも2年生までに合格することが不動産学部生の目標となっています。

宅建試験の出題内容

結構、難しい試験です

でもですねー、実はなかなか大変なんですよ。宅建試験に合格するのは…。

ここ数年の合格率は15%程度です。2017年度は、209,354人が受験し、合格者は32,644人です。17万人以上が落ちる試験なんです。

合格者のうち学生の比率はわずか11.5%。つまり合格者の大部分は、社会人です。

不動産業はもちろん、建設、金融(融資)、公務員(都市計画)、流通(店舗)開発といった様々な分野で活躍する大人たちと勝負する世界です。

合格者の職業別構成比

宅建試験必勝法!?

しかし、不動産学を学ぼうとする以上、宅建試験に合格しないわけにはいきません。まさに「絶対に負けられない戦い」です。

そこで明海大学不動産学部では、1年生でも宅建試験に合格できるよう様々な支援体制を整えています。

今回は読者の皆様のために、その一部をご紹介します。これを真似ればあなたも合格間違いなしですよ(笑)。

★必勝法その1:スケジュールをたてる!

まず大切なのは勉強時間を確保することです。『講義時間以外にいつ勉強するのか』を決めるよう学生には言っています。大学には図書館の他に「スチューデントルーム」という自習室もあり、学生は自主的に予習復習に取り組んでいます。

スチューデントルームの様子



★必勝法その2:過去問をしっかり解く!

宅建試験に限らないのですが、国家試験では過去問(過去に出題された試験問題)と類似した問題が多く出題されます。過去問が自信を持って解けるようになれば合格は目の前です。

学生は、大学に併設されている「オープンカレッジ」を利用して、毎週土曜の午後に問題演習に取り組んでいます。

オープンカレッジで問題に取り組む学生達

★必勝法その3:暗記ではなく理解する!

語呂合わせなどで知識を無理やり詰め込んでも、難化する試験には太刀打ちできません。

きちんと理解することが必要です。そのためには丁寧な解説をしているテキストを選ばなければなりません。

明海大学の講義では教員が共同で制作した「ゼロからわかる宅建士」を使用しています。

私が執筆した「スッキリわかる宅建士」を参考書として利用する学生もいるようです。

講義で利用しているテキスト



★必勝法その4:夏休みを宅建試験に捧げる!

社会人の方であれば集中して勉強をできるのは夏休みくらいでしょう。

ここで頑張れるかどうかが合否を分けます。一方、学生にとってはついつい遊んでしまい学力が落ちてしまうという危険な時期でもあります。

そこで明海大学では夏合宿や夏期セミナーを開き、学生が継続して勉強できる環境を用意しています。

 

夏合宿での勉強風景



★必勝法その5:最後まであきらめない!

試験勉強をしているといろいろなことが起こります。

計画通りに勉強が進まない、覚えたはずのことを忘れている…。それが当たり前です。

そこであきらめては、合格はできません。挫けそうになる自分に打ち勝つ「強い心」が合格には必要です。

学生たちは友人同士で励ましあいながら最後まで頑張り続けています。

合格で得られるもの

繰り返しになりますが、明海大学では遅くとも2年生までに宅建試験に合格することを目標としています。

なかなか高いハードルではありますが、学生達は『大学ってこんなに勉強するところだとは思わなかった』と苦情(?)を言いながらも合格していきます。

試験勉強を通じて彼らは大きく成長します。やればできるという自信。高い目標にチャレンジする意欲。計画を立て実行する力。最後まであきらめない精神力。

必死で勉強した者は、知識を得るだけでなく、様々な能力を伸ばすことができます。これらの能力は、近い将来、彼らが社会に出た際、活躍するためにはきっと役にたつはずです。

宅建試験の勉強を通じて不動産学に必要な知識を得るのはもちろんのこと、社会で活躍できる人材となってもらうべく、今日も講義を続けています。

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最後までご覧下さり、誠にありがとうございました。
今回のコラムで、教員と学生による明海大学不動産学部を紹介する連載は一旦終了となります。
次回からは、新企画が始まる予定です!引き続きよろしくお願い致します。
もしよろしければ、不動産学部のホームページもぜひご覧下さい!
 
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