2017年03月28日
湊 恭平

売却後のシロアリ被害判明と瑕疵担保責任②

湊 恭平

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瑕疵担保責任の現在地


 不動産の売買は、一般に金額が高額な取引であることから、重要事項説明制度やそれを欠いた場合の責任を中心に種々の厳格な制度が存在します。
 そして、瑕疵担保責任の現在地はこれら諸制度の存在をもってしてもカバーし得ない領域について機能するといえ、この判断の決め手となるのが「隠れた」「瑕疵」等の要件該当性にあります。


 具体的には、ある建物の引渡し後にシロアリ被害が判明したという場合に、その侵食が同建物自体の「瑕疵」なのか、取引上注意を払っても発見できない「隠れた」ものなのか、などが検討されることになるのです。


    


売主のとるべき方策

 

 瑕疵担保責任における「瑕疵」は隠れたものである以上、具体的な瑕疵につき売主が事前にこれを把握していな場面で問題となります。
 そこで、売主がこの責任に対して取りうる方策としては、そもそもこの瑕疵担保責任を負わないという特約(免責特約)を契約の際に交わしておくという方法が考えられます。
 このような特約は、契約自由の原則が支配する私人間の取引では有効に認められ、例えば建築から数十年が経過した空き家などの売却においては非常に有効です。
 ただし、このような特約がある場合でも、売主が事前に瑕疵を把握し「知りながら告げなかった」という場合には、免責が認められない(民法572条)という点には注意が必要です。
 きちんとした売主であればあるほど、契約に際しできるだけ売却物の現況につき把握しておこうと調査を行うことになるわけですが、それがため返って隠れていた瑕疵の存在に気づくというジレンマがあるのもまた事実です。


買主のとるべき方策

 

 買主が、購入した後に不動産に隠れた瑕疵が存在したことに気付いた場合には、まずなすべきことは①契約書の確認です。これにより瑕疵担保責任が特約で排除されていないかをしっかりと確認しましょう。
 次に、いきなり相手方である売主に問い合わせるよりも、まず②その不動産売買を仲介した不動産業者に相談することが近道といえます。やはり不動産のプロである以上、そういったケースの処理法やノウハウなどに精通している場合が通常といえるからです。
 また、さらなる処理が困難になるという場合には③弁護士等の法律の専門家への相談が必要になることも想定しておきましょう。
 いずれにしても、ポイントとなるのは「目的物のどこの部分の瑕疵なのか」「その瑕疵に気づいたのはいつの時点か」という点が極めて重要です。相談に際しては、この点を明らかにする必要があります。



 不動産の売買は、金額も高額であり、一生に1回あるかないかという方も多いと思います。
 もちろん、トラブルはないに越したことはありませんが、最も大切なのはそのような事が現実に起きた場合の心の備えです。
 上記瑕疵担保責任制度の概要だけでも把握しておけば、売主・買主いずれの立場になった場合でも取引に予測可能性を得ることができるため、この機会に是非知っていただけたらと思います。


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