2017年03月30日
湊 恭平

相続不動産売却の諸問題(登記編1)

湊 恭平

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突然起こり得る相続

 

 相続は人の死亡によって開始するのであり(民法882条)、この時期を事前に予測することは困難といえます。そして、相続の開始により被相続人の有する財産に属する一切の権利義務は相続人に承継される(民法896条)ことから、故人の所有していた不動産も当然これに含まれます。
 
 本稿では、突然生じた相続後の権利処分として相続した不動産の売却を行うにあたり、起こりうる諸問題を「不動産の登記」という視点でみていきたいと思います。


   


相続した不動産の取り扱い

 

 相続した不動産をほったらかしにしておくことは、決して望ましいことではありません。不動産の所有には固定資産税を中心とした税金がかかり、また管理にも大なり小なりの手間を要するからです。
 そこで、その不動産に住み続ける等の場合でない限り、売却を行うことも一つの選択肢になると思います。

 このような際に、“その不動産の権利者は誰か”及び“名義は誰になっているか”という点は非常に重要な事項です。
 具体的にこれを知る手掛かりとなるのは、不動産の場合には“不動産登記”ということになります。


不動産の登記

 

 民法は不動産のような物権の変動があったときは、不動産登記法の定めるところに従い登記をすることを求めています(民法177条)。この規定では「第三者に対抗することができない」という規定の仕方になっているものの、同規定により所有権のような物権を取得した者は速やかに登記を行うように励行されている、と考えられています。
 これは権利という元来目に見えない性質のものを、公に主張するには不動産登記という公示方法をとることで不動産取引全体の安全を確保することにあります。
 要するに、この制度によって、不動産登記の名義人になっている者のほとんど大部分がその不動産の真の権利者であるという事態が保たれている、といって良いと思います。


相続開始と登記

 

 このように考えれば、不動産を取得した場合にはとにかくできるだけ速やかに登記名義を変更し、自らの所有権を公示する必要があり、このことは相続による物権変動があった場合も例外ではないように思えます。
 しかし、実際の相続に際しこの速やかな移転登記という原則を貫くことは現実的ではありません。なぜなら、相続の場合には単独相続でない限り権利は共同相続人の共有状態となり、後の遺産分割手続きを待って個々の財産に対する帰属が確定することから、この過渡期に相続財産に共有名義の登記を行うのは手間や費用の点で不経済とも考えられるからです。


 そこで、このような不動産の共有状態と未登記の状態の間隙を縫って、法的なトラブルが起こり得るのです。
 次稿では、相続不動産の売却をめぐって不動産登記と絡んで起こりうる具体的な諸問題を考察していきたいと思います。
 

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