石井くるみの民泊最前線

カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。

前回に引き続き東京都荒川区での旅館業許可について紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

旅館業許可申請の相談の中には、すでに住宅宿泊事業(民泊)の届出を行い、民泊営業をスタートしている方が、旅館業にステップアップしたいというケースがあります。

ところが、東京都内で運営されている住宅宿泊事業(民泊)は、消防手続きが済んでいない心配な状況で営業されているケースが見受けられるので、注意喚起を行います。

下記について心当たりがある方はいませんか?

「消防設備の設置をしていない」

「防火対象物使用開始届を提出していない」

「なんのことか・・・消防署には相談に行ったし、民泊の届出番号も取得済みだから、手続きは終わっているはず」と、疑問に感じた方は要注意!

東京都の住宅宿泊事業は、他県とはちがって手続き未完の状況でも届出ができるフローになっているので、確認が必要です。

届出住宅の消防法令上の取扱いについて 

住宅宿泊事業法の届出住宅は、原則として消防法施行令別表第1(5)項イの防火対象物(旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの)として取り扱われます。(ただし、家主同居型で宿泊室面積が合計 50㎥ 以下の場合は住宅扱いとなります)。

そこで、届出住宅が消防法令に適合していることを担保するために、住宅宿泊事業の届出時には、消防法令適合通知書をあわせて提出することが求められています。 

ところが、東京都の場合は、「東京都産業労働局または保健所への届出と並行して手続きを進めてください。」とされており、都や特別区への届出時には、管轄の消防署へ相談に行った記録書のみの提出が認められています。もちろん、届出と並行させて消防設備工事や施設使用前の届出をしなくてはなりません。

区へ届出を行うと、2~3週間程度で書類が受理され、届出番号が交付されます。

「届出番号さえあれば、民泊仲介サイトに掲載ができるため、消防は事前相談を行ったままで、その後の必要な工事や手続きはまったく行わないまま営業スタートしている」という民泊施設がいくつもあるようです。

2ページ目:事前相談のみでは消防手続きは完了していない

 
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