管理会社から仕事を受けた清掃会社から、産廃物処理業者に業務発注

最近ご相談いただいた例では、住宅宿泊管理業者が管理業の登録をしていない清掃会社に清掃業務を委託し、届出住宅からでたゴミの処理を、清掃会社が廃棄物処理業者に委託していたケースです。民泊施設から排出されるごみは、家庭から出されるごみとは区別され、「事業系のごみ」の扱いになります。事業系のごみは、原則として区の収集などに出すことができず、廃棄物処理業の免許をもった業者に収集運搬・処理を委託しなければなりません。このように、業務がいくつもの事業者に再委託されることもありますが、事業を営む上で分掌はごく当然に発生するものであり、住宅宿泊事業法でも禁止されるものではありません。

しかし、住宅宿泊事業者と管理受託契約を交わした住宅宿泊管理業者は、再委託先の住宅宿泊管理業務の実施について責任を負うこととなるため、再委託期間中は住宅宿泊管理業者が責任をもって再委託先の指導監督を行うことが必要です。住宅宿泊管理業者は、従業者に国土交通省令で定める様式の従業者証明書を携帯させなければならず、そこには従業者の氏名や勤務する営業所又は事務所の所在地、住宅宿泊管理業者の登録番号等を記載します。これは、再委託契約に基づき住宅宿泊管理業務の一部の再委託を受ける者を含むことからも、住宅宿泊管理業者が管理業務全般の責任を持っていることがうかがえます。

また、住宅宿泊管理業者は、再委託先について行政庁(管轄する地方整備局)に届け出る必要があるので、再再委託先に関しても新規登録時、変更があるごとに手続きが必要となります。

住宅宿泊事業の広がりととも重要な役割を担う住宅宿泊管理業者は、コンプライアンスと適正な管理体制が求められます。また、別の機会に民泊(旅館業、特区民泊、住宅宿泊事業)において不可避の論点となる「ごみの処理」についても解説したい思います。

 
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